「弁護士でもある彼女が、それほど昔でもない時期に仕事で出廷しておいて、その記憶をなくすわけがないでしょう。明らかに、バレないだろうと虚偽答弁したと見るのが常識というもの。本来は大臣どころか、議員も辞職ものです」(ベテランの国会議員秘書)

 答弁の訂正と謝罪をするにはしたが、時すでに遅し。まさに自業自得といったところだろう。

 籠池氏が「怒りを感じる政治家は?」「ハシゴを外した人は?」との問いに「大阪府知事」と繰り返された松井一郎大阪府知事も、“劇団員”の一人だ。松井氏も籠池氏も、お互いに「会ったことはない」と語っている。問題発覚後に認可を取り消されたことから、そのトップということで逆恨みされているような感もある。だが、小学校の校舎建設にあたり、学園側が金額の異なる3つの契約書を用意していた問題について、私文書偽造などで告発検討を明らかにしていることなどを見ると、「籠池氏本人が潔白かどうかは別にして、府の対応を見ると、極めて感情的、仕返ししてやるという感じがして、行政対応として、ちょっとどうかなという感じがしますね」(角谷氏)

 松井氏は、一時はあっさりと認可しようとしていた行政のトップである。責任がないわけではない。安倍首相を批判するのに躍起になっているようだが、それも世間の目が自分に向かないための作戦なのか。

 そして、こちらは本当のとばっちり。それは、公開された昭恵夫人と籠池夫人とのメールのやりとりの中に、森友学園の幼稚園に無断で入ろうとしていた旨の内容が書かれていた辻元清美衆議院議員(民進党)だ。「これはまったくのデマだったことが分かりました。“劇場”の風評被害ですね。でも、この件では辻元氏が何度も抗議していたにもかかわらず、国会で“辻元議員も侵入の疑惑を説明すべき”と、うっかり発言してしまった安倍首相のほうが株を落としたのでは……」(前出の政治部記者)

 結局、本人を含め、舞台に上げられた全員が大損をこいた“籠池劇場”。「株を上げた人を強いて挙げるとすれば、与野党の“口撃”をサラリとかわした籠池氏の黒子を務めた補佐人・山口貴士弁護士くらいですかね(笑)」(前同)

 そして、一番の被害者は、実りのない“籠池国会”のツケを支払う国民だろう。議員報酬にその他の費用を加えると、国会は1日で3億円超の金がかかる。これは当然、血税で賄われている。

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