貴乃花親方と白鵬、新旧名横綱の「変わらぬ宿怨」の画像
貴乃花親方と白鵬、新旧名横綱の「変わらぬ宿怨」の画像

「稀勢の里が築いてきた相撲道を、相撲の神様が舞い降りて見守ってくださったような気がしました」 これは、元横綱の貴乃花親方が、春場所で奇跡の逆転優勝を遂げた新横綱に送った祝福の言葉だ。

「春場所の稀勢の里は凄かった。13日目の日馬富士戦で、左肩周辺を痛めながらも優勝。新横綱の奮闘に、日本中が拍手を送りました」(スポーツ紙記者)

 だが一方で、冒頭の貴乃花親方の発言には「別の意味があった」とも噂された。「裏を返せば、相撲道に反する力士には相撲の神様は舞い降りてこない、という意味。白鵬をはじめとするモンゴル力士たちに対する嫌味ではないかと話題になったんです」(夕刊紙記者)

 4横綱中ただ一人、春場所を途中休場した白鵬。37回の優勝を誇る大横綱に、貴乃花親方は何か含むところがあるのだろうか? 新旧の名横綱2人の“宿怨”をひも解く前に、まずは稀勢の里が負傷した13日目の取組を振り返ってみよう。

「32歳の先輩横綱・日馬富士は、親の仇を見るような目で稀勢の里を睨んだかと思うと、全身全霊でぶつかっていきました」(前同) 真剣勝負の世界。問題はないように思えるが、「日馬富士は完全なケンカ腰で、稀勢の里を土俵外に激しく寄り倒し、病院送りにしたんです」(前同)

 ケガは想像以上に重く、「当初は左上腕部の負傷といわれていたが、その後の検査で左大胸筋も損傷していることが判明。ちなみに稀勢の里の最大の武器は左差し。うがった見方をすれば、日馬富士はわざと左側を狙ったとも言えます」(前出のスポーツ紙記者)

 これは日馬富士に限ったことではない。春場所千秋楽の本割で、稀勢の里は、モンゴル出身の大関・照ノ富士と戦ったが、「照ノ富士は“待った”がかかって断念しましたが、いきなり稀勢の里の痛めた左肩を攻めようとした。弱い部分を狙うのは勝負の鉄則ですが……」(前同)

 なぜ、稀勢の里は、こうも目の敵にされるのか。「モンゴル人力士は稀勢の里フィーバーを快く思っていない。これまで土俵を支えてきたのは自分たちなのに、新横綱の誕生で、全員ヒールになったと憤慨しているんです」(同)

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