4月2日に行われた大阪杯はG1に昇格した途端、153億円超の売り上げがあった。前年比は実に222.1%だ。これがG1の威力なのだろう。今週はG1の谷間になるが、いずれはこの時期のG1開催も検討されるのではないか。実現すれば高松宮記念から安田記念まで、実に11週連続のG1開催になる。個人的にはまだない7FのG1戦が欲しいところだが……。

 さて、京都、東京に舞台を移す今週は東西ともG2戦が行われる。まず京都のマイラーズCは、ぜひともフィエロを狙ってみたい。これまでマイルG1で2着が2度もある実力馬。それが8歳の今年まで重賞タイトルがない。ディープ産駒で500キロ台の馬体はとても見映えがいいし、末脚の破壊力もなかなかのもの。33秒台は当たり前。15年のマイラーズCでは32秒5の末脚を使っている。重賞を勝てなかったのはレース展開のアヤと、ほんの少しの運のなさ。レースで器用さに欠ける面もあった。

 しかし、これだけの馬だ。年齢的にラストチャンスになる今回は陣営も手を打ってきた。前走で6FG1の高松宮記念に出走させたのだ。レース1週前の坂路追いでは前半から積極的に動き49秒2の猛時計をマークしたが、レースでも6Fの速い流れを体験させた。結果は5着だが、これが今回へのカンフル剤になりそうだ。舞台もベスト。最も能力が出せる京都のマイル戦だ。これまで8戦して[1・3・2・2]。前記した2度のG12着があり、掲示板を外したのは1度(6着)だけ。それもコンマ3秒の小差だった。

 今回の鞍上は[2・1・1・1]と好相性の福永。ここにも勝負への意欲が見て取れる。もちろん8歳馬とは思えないほど馬体は若々しい。黒光りするほど張りを増し、これぞオープン馬の輝きがある。イスラボニータ、エアスピネルなど強敵も多いが、そのぶん馬券的な妙味もあるはずだ。

 東京はオークストライアルのフローラSがメイン。ホウオウパフューム、フローレスマジックが優位に立つメンバーだが、関西馬で可能性を探ればタガノアスワドだろう。デビュー勝ちの後の、つばき賞があのファンディーナの2着。逃げてコンマ2秒差に健闘した。当時3着馬を7馬身も離しており、この馬の能力も相当に高いだろう。2週前時点ですでに3本の坂路追いをこなし、51秒8の好時計もマーク。オークスの権利取りへ陣営は実に意欲的だ。流れ次第では逃げ切りまである。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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