「4月6~7日の米中首脳会談で、北朝鮮の核施設への限定的空爆を中国側が了解したとみられています。さらにロシアも、限定的攻撃であれば暗黙の了解という姿勢です。そのため、シンガポールからオーストラリアに向かう予定だった米原子力空母カール・ビンソンを、急遽8日に、朝鮮半島へと北進させました」

 ちなみに、同空母は国際テロ組織アルカイダ撲滅のための“不朽の自由作戦”に投入された空母でもある。「加えて、5月9日に行われる韓国大統領選で左派政権が誕生した場合、北朝鮮への空爆や制裁に韓国が反対する恐れがあります。したがってアメリカとしては、その前に攻撃に踏み切りたいところです。また、27日は新月の日にあたり、月明かりがなくて攻撃がしやすいんです。これらの事情を考慮すると、攻撃は4月27日の未明がベストのタイミングと言えるでしょう」(前同) 湾岸戦争でアメリカ軍がイラクを空爆したのも、新月の夜だったという。

 だが、アメリカの攻撃がここまで現実味を帯びているにもかかわらず、北朝鮮は挑発行動に出るのだろうか。『コリア・レポート』編集長の辺真一氏は、その問いにこう答える。「やると思います。国民生活を犠牲にしてまで核・ミサイル開発を進めてきた北朝鮮は、目標まであと一歩のところまできています。ここでアメリカの恫喝に屈して諦めたら、これまでの成果をドブに捨てる結果になるからです」

 それでは、北朝鮮はどのような行動に及ぶのか。「核開発の仕上げとして、核実験を仕掛ける可能性はあると思います。次で6回目ですが、おそらく、それが最後になるでしょう。しかし、ミサイルに核兵器を搭載する技術があっても、それを運搬する技術がなくては、どうしようもありません。アメリカの安全保障にとって何が脅威なのかというと、アメリカ本土が直接、核攻撃にさらされるICBMの開発です。ゆえに私の予想では、核実験の可能性が3割、ICBM試射が7割ですね」(前同)

 事実、アメリカは新たな北朝鮮のミサイル発射に備え、同盟国に対して「迎撃する用意がある」と通知したと、オーストラリアの『デーリー・テレグラフ』(電子版)が報じている。アメリカはすでに、北朝鮮のICBM発射実験に照準を定めているのだ。「ICBMを発射されて、何もしなかったら、それこそトランプ大統領が金正恩に舐められることになります。アメリカが先制攻撃する可能性は十分あると考えています」(前出の辺氏)

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