「ビール中ジョッキ1杯は約200キロカロリーといわれています。これは茶碗1杯分のご飯とほぼ同じです。ビールだと何杯も飲むでしょうから、ご飯を何杯も食べれば、そりゃあ、太るというものでしょう」

 次に、ツマミを見ていこう。“ビール腹”と聞くと、酒が悪者のようにイメージされがちだが、太る原因は酒よりも、ツマミに多い。「アルコールを摂取すると、体脂肪がつきやすい状態になります。そこへきて脂質の多い食品を摂ったら、体脂肪は上昇し、お腹回りの脂肪を増やすことになってしまいます。できるだけ脂の少ないものを摂るように心がけましょう。たとえば、同じマグロの刺身でも、トロより赤身がオススメ。焼肉なら、カルビよりロースがいいですね」

 一般的に、牛肉100グラムあたりのカロリーを、代表的な部位別に見てみると、カルビが517キロカロリー、タンが269キロカロリー、ヒレが221キロカロリー、ミノが182キロカロリーとなっている。カルビは飛び抜けて高カロリーなのだ。同じく脂質の摂取を抑えるという理由で、唐揚げや厚揚げなどの「揚げ物」も控えたほうがいいそうだ。

 なぜ脂質が太るのかと言えば、その原因はカロリーの高さにある。脂質は1グラム当たり9キロカロリー。タンパク質や糖質が同4キロカロリーであることと比較すると、2倍以上も高カロリーなのだ。やはり、脂はビール腹にとって厄介な存在なのだ。

 しかし、ここまで見てきた肉や魚などの食材は、タンパク質が豊富。脂に気をつけることができれば、積極的に摂るべきツマミだと言えるだろう。中でも、高タンパク・低カロリーの食材が鶏肉だ。特に焼き鳥は、酒のツマミとして欠かせないアイテムで、ビール腹の撃退に持ってこいのツマミなのだが、これにも注意すべき食べ方があるという。

「味つけは断然、塩がオススメ。タレの中には、脂肪になりやすい糖分がたっぷりと入っているからです」 ある大手居酒屋チェーンのもも串(2本)のデータを見てみよう。

●タレ 糖質7.9グラム、塩分1.5グラム。
●塩 糖質2.6グラム、塩分0.7グラム。

 タレのほうが、糖質が多いだけでなく、塩分も2倍以上なのには驚き。我々日本人は、塩分の摂取量が基準値を大幅にオーバーしているといわれている。塩分過多は高血圧を招き、脳梗塞をはじめとする生活習慣病の主因とされている。その点からも注意したい。あの甘~い独特のタレ成分に罠があったのだ。

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