「困った人を助ける優しい人が金持ちになりそうなものですが、お金に困っている人にお金を貸しても、お互いが不幸になるだけ。そうして共倒れになった例がいくつもあります。返す実力があるかどうかも精査しないまま、お金を貸したり、借金の保証人になったりする、そそっかしい人は、絶対に金持ちにはなれないのです」

 簡単に人にお金を貸さないし、保証人など、親子・兄弟であっても、まず断るのが金持ちだという。「お金を貸す場合も、その人の成長の手助けになるか、お金が生きる使い方か、お金が喜ぶ使い方かどうかを考えて判断していますね」

 さらに、お金の使い方の特徴でいうと「貧乏人は豪快。金持ちは繊細」という特徴もある。

「貧乏人は、ローン残高がどんなに増えても、貯金残高がなくても、細かいことはまったく気にせず豪快に使うし、お金がなければ大胆に借りまくります。お金の怖さを知らず、想像力が乏しいため、一見、豪快に見える思い切った行動が取れるのです。一方、金持ちは、お金は繊細に優しく扱えば、何倍にもなって返ってくることを知っているので、今、財布にいくら入っているのか、口座の残高、今月の出費などをしっかり把握し、丁寧に優しく扱うのです」

 では、とにかくマジメであればいいのかというと、それも違うようだ。「貧乏人は、マジメで先生の言葉を信じる人が多い」という。「特にお金の世界の専門家は海千山千。その言葉をすべて真に受けると“カモ”にされてしまいます」

 オイシイ投資話に乗ってしまい、コツコツと働いて貯めた老後の資金を根こそぎ持っていかれる――被害者が詐欺師を告発するそんなシーンを、夕方のニュースなどで見かけるが、あれこそが典型だ。

「当たり前ですが、社会は学校ではありません。何事にも、最後に決断するのは自分です。先生の言葉にただ従うのではなく、参考程度にしておく冷静さ、専門家の話も疑う“もう一つの目”を、金持ちは持っています」

 さらに意外なのは、「貧乏になる人、貧乏予備軍の人は、頑張る人が多い」ということ。

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