「妻帯者であるにもかかわらず、テレビ東京の記者時代の元同僚女性と交際。しかも、ハワイで極秘に、2人きりの結婚式まで挙げていたといいます。さらに、関係がこじれると彼女をつけ回し、警察にストーカー登録されるという前代未聞の不祥事。これを報じた『週刊新潮』の発売前に辞任しましたが、実質はクビです」(前出の夕刊紙記者)

 この安倍政権の体たらくに愛想を尽かしたのか、昨年11月には10か月ぶりに1万8000円台を回復して上昇基調にあった日経平均株価も低空飛行。経済評論家の杉村富生氏は次のように語る。「森友学園問題で『フィナンシャル・タイムズ』の記事を読んだ外国人の投資家が、安倍退陣が秒読みに入ったとみて、売りに走ったのが下落の原因です」

 そんな自民党に苛立ちを募らせているのが連立与党の公明党。山口那津男代表は「閣僚や政務官の言動が国民に不信を与えている。緊張感がないと受け取られるようでは、政権の安定はかなわない」と釘を刺した。

「都議会公明党が、自民党から小池百合子東京都知事が率いる地域政党『都民ファーストの会』に乗り換えたあたりから、自公の関係はギクシャク。テロ等準備罪法案の審議日程を巡っても、公明党は“性犯罪厳罰化を優先すべき”と対立しました」(政治部記者)

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏も、こう解説する。「山口代表は、共謀罪を含めたテロ等準備罪法案に反対の立場。弁護士出身である山口氏には、どうしても認められないんです」

 最終的には自民党に協力したが、「譲歩を強いられた山口代表の腸は煮えくり返る思い」(公明党関係者)だという。

 こうした中、安倍首相の盟友でもある麻生太郎財務相に怪しい動きが――。「現在、麻生氏は“大宏池会構想”を推し進めています。17年前の“加藤の乱”で大分裂した自民党・宏池会の再結集を狙ったもので、成功すれば、安倍首相の出身派閥・清和会に並ぶ100人規模の巨大派閥が誕生します」(政治部記者)

 今年2月には甘利明前経済再生担当相ら5人が、新たに麻生派に加入。山東派、谷垣グループの合流も既定路線で、数を背景に党内の主導権を握りたい考えだ。「麻生氏は、かつて党内で権勢を振るった旧経世会(額賀派)が大嫌い。そこで、清和会と大宏池会で“政権交代”し、自民党単独で日本を動かそうと考えているんです」(自民党関係者)

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