北朝鮮は、3月にミサイルを日本海に向けて同時に4発発射。そのうち3発が日本の排他的経済水域に落下しているが、「自衛隊の能力では、3発目と4発目を落とすのは極めて困難。また、もしも日本が攻撃されても、今の法制上、継続的な戦闘行為も取れません。そうなったら、安倍首相を頼りにしていただけに、国民の失望感は大きくなるでしょう。北朝鮮情勢は安倍政権の命取りになりかねません」(前出の山村氏)

 だが、当の安倍首相は至って余裕。さる17日の夜も、都内の商業施設のオープニングセレモニーに出席し、地元・山口県の物産を積極的に販売するよう「忖度していただきたい」と笑いを誘っていた。

 森友問題で話題になった“忖度”をギャグにするとは相当、呑気だが……。「どんなに問題山積でも、安倍首相には、いずれ巻き返せるという自信があるんです」(自民党関係者)

 その拠り所と言えるのが、株価だという。実業界からは、こんな声が上がる。「株価が上がりさえすれば、多少のスキャンダルがあっても、支持率が致命的に落ちることはない。つまり、安倍政権の生命線は株価と言えます」(労組幹部)

 現在、日経平均株価は北朝鮮有事の懸念から様子見が続く状態だが、前出の杉村氏はこう続ける。「夏にかけて、株価は2万3000円を狙う動きとなるでしょう。『フィナンシャル・タイムズ』の報道で一時的には下落しましたが、今では落ち着いていますし、例年、6月まで外国人投資家の買い越しが続く傾向にあります」

 さらに、不協和音が響いている公明党とも、7月2日の都議会議員選挙の結果によっては、蜜月関係が復活するというのだ。「自民、都民ファーストの両党ともに単独で過半数獲得は難しく、公明党が鍵を握ります。現在、小池知事には、豊洲移転問題にしろ、東京五輪予算にしろ、問題を先送りにしているという逆風も吹き始めました。また、小池知事の政経塾『希望の塾』の塾生から都議選候補者を擁立する方向ですが、素人がどこまで都民に受け入れられるのか。意外と自民が善戦するとの見方もあり、都民ファーストの会と公明を合わせても都議会過半数を獲得できないと分かれば、再び、自民と組むという可能性もあります」(公明党関係者)

 また、勢力拡大中の麻生財務相も前途多難なようだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5