「麻生氏の思惑に警戒感を強めているのが、ほかならぬ宏池会。数を背景にキングメーカーとなった麻生氏に人事権などを奪われかねないからです。この構想は、宏池会内部の反対で失敗すると見ています」(前出の鈴木氏)

 安倍首相にとっては好材料が続くようだが、中でも、最大の武器と言えるのが支持率の高さ。「4月のマスコミ各社の世論調査では軒並み、支持率はアップ。特に読売新聞の調査では、安倍内閣の支持率は60%と、森友学園問題が勃発した3月の56%から、4ポイントも上昇しました」(政治部記者)

 さらに注目すべきは、北朝鮮の脅威に対して“大いに感じる”と回答した人に限ると、支持率が64%に跳ね上がることだという。「“安倍政権なら、この国難を乗り越えられる”という期待が国民にはあるんでしょう」(山村氏)

 北朝鮮との緊迫状態が高まるほど、安倍政権には有利な展開となるのだ。「一定の保守層にとって、安倍人気は、脅威に対して強硬路線を貫くほど高まる。むしろ平和的解決を主張すれば命取りです。それを安倍首相も知っています。それゆえ、危機がより高まり、国民の間で今のままの防衛態勢でいいのかという声が湧き上がるのを待っているんです。その先にあるのは悲願の憲法改正です」(前出の官邸筋)

 危機を逆手に取って野望を実現とは、とんだ“どんでん返し”だが、その前に、国民を危険に晒すことだけは避けてもらいたい――。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5