現代医学を持ってしても100%の完治が難しい“悪夢の大病”は少なくない。病とともに歩む人々に僥倖は訪れるのか?

●認知症&がん

 たとえば現代病の一つとも言える“認知症”。実は、これにも温泉が効くという。「たまには名湯を訪れて、ゆったり見知らぬ人と話し合うだけで気分が良くなるでしょう? 分け隔てないコミュニケーションをしたり、川のせせらぎや鳥のさえずりに耳を傾けたりする“転地療養効果”が、認知症を未然に防ぐんです」(内科医)と驚愕の学説のみならず、「がんもそれと同じです。見知らぬ人同士が裸で、わいわい話をすれば、病気への不安やストレスは解消されてゆく。そうすることで元気になり、免疫力が高まるのです」(前同)

“温泉でがんが治る”とはにわかには信じがたいが、がんに抗する免疫機能を高めるということで有名な温泉もある。その一つが玉川温泉(秋田)だ。

「玉川温泉は日本一の強酸性泉で、単一泉源として日本最大の湧出量を誇ります。98度の自然湧出源泉から“北投石”という放射性天然鉱石が産出され、戦前から医学的研究が相次ぎました。地熱地帯の温熱・保温効果と微量な放射線が放出されているためのホルミシス効果が相まって、進行性ではないステージのがん患者の痛みを緩和し、体力も増して、免疫力が強まるのではないかと考えられています」(石川氏)

 鳥取にあるのは、三朝温泉。同じくホルミシス効果が注目されている。「抗酸化機能をアップさせて、組織循環を促すことが確認されています。ちなみに、湯治に行って、3回目の朝を迎える頃には病が消えている、という言い伝えが“三朝温泉”の名前の由来という説もあります」(温泉ライター)

 増冨ラジウム温泉郷(山梨)も、がん患者の湯治場として名高い。「20℃くらいの天然ラドン泉が、高い療養効果を発揮するそうです。巨大岩盤の割れ目から自然に湧き出している天然岩風呂に浸かると、生きるパワーをもらえるんです」(70代の湯治客) “病は気から”というが、生きる力としての“気”を存分に高めてくれるのも、名湯の魅力なのだ。

 身も心も、充実させるのが温泉の“魔力”。ホッとする湯に浸かり、肉体的にも精神的にも、極上の快楽を得よう。

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