病の前兆は鏡の中に!「顔で分かる病気」診断法の画像
病の前兆は鏡の中に!「顔で分かる病気」診断法の画像

 体の調子がなんだか悪いのに、春の健診を受けそびれてしまった……。そんな人は、まず自分の顔を確認!

「40歳を越えたら顔に責任を持て、とよく言いますが、本当は20歳を越えたら、かもしれません。というのは、20代に入ると、持って生まれた体質や、体に蓄積された内臓の不調などが、クッキリと顔に出てくるようになるからです。要するに、顔は“体の健康状態を映し出す鏡”なのです」

 こう語るのは、薬剤師の猪越恭也氏。『顔をみれば病気がわかる』(草思社)などの著書がある猪越氏は、中国長春中医大学客員教授で、日本中医学研究会の会員なども務めている。その猪越氏が教えている「中医学」とは、日本ではあまりなじみがないという人も多いかもしれないが、これは「中国の伝統医学」という意味。

 大ざっぱに言うと、日本で知られる「漢方」は、この中医学を日本流にアレンジしたもので、両者にはかなりの違いがあるという。「漢方は『方証相対(ほうしょうそうたい)』といって、“経験則から、この症状にはこういう処方”とするだけで、なぜその処方が効くのかは、あまり論じません。これに対し中医学は『弁証論治』といい、病症の原因・理由を考え、治療の方法を求めて、処方を選びます」(猪越氏=以下、「」内同)

 中医学では、顔などの外貌から体の状態を知る診断法を“望診”というが、「健康を保つうえで重要なのが、“五臓”が健全に働いているということ。この五臓のどこが弱まっているのか、顔の各部位別に症状が出るので、望診で分かることがあります」

 ちなみに、五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」。猪越氏によれば、これらは西洋医学が示す臓器よりも示す範囲が広く、たとえば「心」は脳、「肺」は鼻、ノド、気管支、さらに皮膚をも含む。「腎」に至っては、生殖器、ホルモン、骨、免疫系までカバーし、より広い概念を持つという。以上を前提にして、顔のパーツに現れた五臓それぞれの“病の前兆”を見てみよう。

 まずは、顔の中で最もよく働き、エネルギーを消費する「目」から。

●まぶたがむくむ 「疲れやすい、口が渇く、尿の出が悪い、または尿が近い、性機能の低下などの症状があるようなら、五臓のうちの“腎”が衰えていることが考えられます」 腎臓が疲れると、余分な水分をうまく外に出せなくなり、体が水をため込んでしまう。それがむくみの症状として出やすいのが、毛細血管がびっしり張り巡らされている目の周り、というわけだ。

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