「鳥谷への鉄槌が、これまでぬるま湯に浸かってきたベテランに、いい刺激になっているんですよ。確執なんてないんじゃないかな。金本監督は鳥谷のことをかわいがってますよ。なにせ、鳥谷の高校時代の恩師は、金本監督の大学時代の後輩ですから。思い入れは他の選手より強いはず」(ベテラン野球記者)

 この金本監督の意図を鳥谷も理解し、自分が標的になることで監督に協力しようと奮起しているのではないかという。あとは、投球回数25.1回で、21四球と、コントロールに苦しむ藤浪晋太郎の完全復活を待つばかりだ。

 同じように、今季に入って「厳しさ」を前面に出してきているのが、パで番狂わせを起こしている楽天とオリックスの両監督。「監督就任1年目だった昨季は好々爺然としていた楽天の梨田昌孝監督でしたが、今季は豹変。たとえば、三軍から二軍に昇格する手はずになっていたオコエ瑠偉が寮の門限を破ったことに激怒し、昇格の話をご破算にするなど、“鬼”に変身しています」(前出のデスク)

 この厳しさがカンフル剤になったのか、今季はこれまで燻っていた美馬や辛島らの中堅選手が覚醒。そこに岸やペゲーロら新戦力の活躍が相まって、開幕以来、首位を独走しているのだ。また、オリックスにも同じことが言えそうだ。「今年は福良淳一監督の本気度が違います。“仏の福良”から“鬼の福良”になったことで、昨季は実力を出せずに不振だった金子千尋、小谷野、T-岡田らが奮起している」(前同)

 しかし、オリックスの場合は、さらにもう一つ理由があるようだ。「実は開幕前、キャンプ地を訪れた宮内オーナーが、選手やスタッフを練習場のマウンドに集めて激励の言葉をかけたんです。いや、激励と言うよりは、完全に“公開説教”でしたね。これが、首脳陣や選手たちの尻に火をつけたんだと思いますよ」(球団番記者)

 結果的に、これが好調に結びついたわけだが、このようにフロントが現場に対して不満を抱くケースは少なくない。スタートで大コケした昨年の覇者・日本ハムでは、フロントの怒りの矛先が栗山英樹監督に向いているという。

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