このように、梅雨の悩みは、とにかく気温と湿度。寒暖のバラつきで自律神経が乱れ、高湿度のため汗で排出できない水分が体内にたまって冷えを起こすなど、体の機能が低下するのだ。

 これを撃退するには、やはり、体の中から。中国の医師免許を持つ漢方の専門医で『読む漢方薬』(双葉社)などの著書もある村上文崇氏は、こう語る。「東洋医学では、こうした体の不調を引き起こす湿気を“湿邪”といい、体内にたまった“湿”を外に出したり、そもそも入れないようにするための多様な方法が確立されています」

 最も一般的なのは、からいものを食べること。「からいものを食べて汗をかき、たまった“湿”を出すという考えです。四川料理がからいのは、四川省の中心地・成都が盆地で湿気が多く、体に湿がたまりやすいからといわれています」

 胃を傷めるほどにからいものは論外だが、鼻の頭が汗ばむくらいの適度にスパイシーなものは、体内に停滞する湿気の退治に有効。今でいう「デトックス(毒出し)」の考え方にも近い。また、体を冷やすのも禁物だが、熱を持たせ過ぎるのも良くないという。

「体内が過度に熱くなると、急に冷やそうとして体調を崩しがち。油とジャガイモは熱を持たせる食品の代表で、中国では“ポテトチップスは秋まで待て”という言葉があるほどなので、避けましょう。この時季のつまみは、体内をフラットにしてくれる枝豆がお勧めです」(村上氏)

 枝豆があればキンキンに冷えたビールが恋しくなってくるが、これも間違い。「やはり、体を冷やしますからね。一般的なラガービールは冷やしておいしいものなので、飲むなら、常温でもおいしいエールビールを選びましょう」(前同)

 オヤジ族諸君、暑さや雨を言い訳に引きこもるのは、まだまだ早いですぞ!

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