それが、斎藤雅樹二軍監督(52)だ。言わずと知れた、80~90年代の大エース。“ミスター完投”の異名を取り、槇原、桑田の“三本柱”で、通算180勝に5回の最多勝、11試合連続完投勝利記録など輝かしい成績を残した名投手だ。

 引退後は原政権下で投手コーチを務めた斎藤氏だが、いまいちパッとしないというのが、正直な印象だった。「人がよすぎて選手に強く出ることができず、指導力に欠けるイメージでした。投手コーチとしても、尾花高夫氏の陰に隠れて目立たず、原さんの“お友達人事”でいるだけというのが、もっぱらの評価でしたね。ところが、二軍監督に就任してからの活躍で、評価が一変したんです」(前出の巨人軍担当記者)

 斎藤氏は、由伸監督の就任と同時に二軍監督に就任。一軍がいまいち波に乗れない中、その年のうちに、いきなりイースタンリーグで優勝したかと思えば、ソフトバンクに打ち勝ってファーム日本選手権も制した。

「まあ、巨人は他球団なら即一軍級の選手もゴロゴロ二軍にいるので、それだけでは驚くにあたらない。しかし、その余勢を駆ってメキシコで開催されたU-23のW杯(ワールドカップ)の代表監督を任され、チームを初代世界一に導いた。あれで、その実力を誰もが認めましたね」(前同)

 そうした流れの中で、球団内部から「斎藤を“ポスト由伸”に」という声が出てきてもおかしくはない。

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