過去の“出戻りヒロイン”としては、高畑充希(25)が2013年下半期放送の朝ドラ『ごちそうさん』でブレイクし、その後、2016年上半期放送の朝ドラ『とと姉ちゃん』でヒロインとなっている。他にも土屋太鳳(22)は2014年上半期の『花子とアン』などNHKのドラマに数多く出演し、その後2015年上半期放送の『まれ』の主演を射止めた。そして何より本作『ひよっこ』の主演である有村も、2013年上半期『あまちゃん』からの“出戻り”である。脇役からヒロインへの出世は、今や、朝ドラキャスティングの一つの軸なのだ。しかも藤野は、黒木華(27)にも負けない昭和顔だ。戦争モノも見事にこなしてくれそう、もんぺが似合いそうだ、と妄想ばかりが膨らんでいく。

 工場の扉が開かれると、青天目澄子(松本穂香・20)が「このバカ!」と駆け寄り豊子と抱き合った。毎日、二人の喧嘩を見ていた視聴者はこのシーンにグッときたはず。発掘というと失礼かもしれないが、無名ながらも才能ある若手女優に出会えるのは、朝ドラならではだ。『ひよっこ』乙女寮編は、若手女優のこれからの活躍を想像できる、ドラマファンにはたまらない時間だったのである。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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