菅義偉官房長官VS二階俊博幹事長「自民党権力闘争」の行方の画像
菅義偉官房長官VS二階俊博幹事長「自民党権力闘争」の行方の画像

 森友に加計、共謀罪などの問題に悩まされながら、長期政権を維持する安倍内閣。だが、ここへきて新たな問題が浮上している。「長期政権の立役者である2人、菅義偉官房長官と二階俊博幹事長の不和が、党全体を巻き込んだ権力闘争に発展しつつあるんです」(全国紙政治部記者)

 菅氏といえば、在任期間が歴代最長となる1500日超、安倍首相を縁の下で支える名女房役。派閥にも属さず“首相の影”として寄り添う忠義者だ。その菅氏と火花を散らす二階氏は、“プチ田中角栄”とも称されるゴリゴリの党人派だ。「離党や派閥の消滅を経ても、不死鳥のごとく何度も復活。今や40人を擁する中堅派閥のボスとして、党内に絶大な影響力を持つ選挙のキーマンです」(前同)

 水と油のごとく、タイプが完全に違う2人だが、なぜ対立が始まったのか? 「発端は、昨年の党人事で二階氏が幹事長になったことにあるんです。実は菅氏も、この人事で幹事長ポストを狙っていた。68歳で、総理総裁の座こそ狙っていないとしても、このまま“名官房長官”で終わるのは物足りない。幹事長として党内に影響力を行使し、“キングメーカー”を担いたいという野心が芽生えていたようです」(民放局官邸担当記者)

 よりによって、そこに自分と真逆の二階氏が滑り込んできては面白くない。「しかも、二階氏は幹事長就任後、瞬く間に党内を牛耳り始めました。首相の意向を微妙に匂わせて解散・総選挙をちらつかせながら党内を締めつけ、野党との太いパイプも駆使して巧みに存在感を高めていく。長期政権の“弛み”で起きた閣僚の失言や不祥事の対処に自分が追われる中、それを横目に肥え太る二階氏が、菅氏には許せなかったのでしょう」(前同)

 さらに菅氏を激怒させたのは、昨年12月の日露首脳会談について“国民の大半がガッカリした”と、首相や自分の努力に水を差すような発言をしたことだ。「そうまで言われても、首相はその力量を無視できない。二階派所属で先日、大臣をクビになった今村前復興大臣の“東北でよかった発言”の際も、二階派のパーティに駆けつけ、今村氏には冒頭で不快感を示しながらも、“二階派あっての安倍です”と気を遣う有様。“このまま二階をのさばらせてなるものか”と考えた菅氏は、9月の内閣改造で幹事長職に就くべく、再び動き出したんです」(同)

 菅氏の武器は、その強力な情報収集能力にある。「これを駆使して二階氏や二階派議員の身辺を洗い、その勢力を削いでいく戦略です。さらに、強力な人脈を持つ二階氏に対抗するのに“一人では分が悪い”と判断。自ら禁を破って派閥の旗揚げに乗り出す可能性も……」(自民党関係者)

 安倍政権をさらに揺るがしかねない“黒衣の宰相”同士の内ゲバ。はたして、勝者はどっちだ?

本日の新着記事を読む