エプソムCは、実はかなり堅い重賞。過去10年、全馬の馬券を均等買いした場合の回収率は単27%・複55%で、標準的な値である70~80%よりもかなり低い。それだけ相対的に人気上位馬が多く好走していることが分かる。

 その間、1番人気馬の成績は[4・3・1・2]で回収率は単125%・複113%。下手な理屈をこねくりまわすよりも、1番人気馬を素直に買っていれば良かった、ということになるのだ。年齢別で見ると、4歳馬が圧倒的に強い。過去10年の成績は[7・5・2・20]で複勝率40.2%。5~7歳馬の複勝率がそれぞれ10%台であることに比べて差は歴然だ。

 この10年の間にダービー翌週からが夏競馬ということになり、4歳馬は収得賞金が半減されている。それでもなおオープン格を維持し、重賞に出走しようという馬はそれだけ実績がある=ベースの能力が高いわけで、それに伴い信頼度も高い。よほどの距離不安とか東京が苦手といったことがない限り(そんな馬は登録してこないだろうが)、4歳馬を馬券の中心に据えたい。

 今年出走が予定されている4歳馬といえば、◎アストラエンブレムと○タイセイサミットの2頭。メイSの1、2着馬である。メイSではタイセイサミットが先着したが、当時の着差はクビ差。しかも両馬の間には2.5キロのハンデ差があった。今回は逆転の可能性が高い。

 ◎はこれまでデビュー以来の最低着順が4着(3回)という安定味のある馬。その4着はいずれも右回りのマイル戦で、うち2回は京都。左回りでは馬券の対象から外れていないし、距離も今は1800メートルのほうが良い面があると思う。というのも、1600メートルだと展開次第では純粋なスピード比べになることがあり、決着タイムが速すぎると◎の対応力は微妙。それに対し、1800メートルだとマイラータイプがどこかで息を入れに行くので中盤が緩む。そこでいったん馬群が凝縮してくれれば、この馬の武器である瞬発力が最終的に生きてくるというわけだ。

 ○は斤量面の理由からそれほど人気になってこないかもしれないが、もともと毎日杯3着などしていた馬だし、スタミナの余裕は◎よりもありそう。脚質の自在性もある。いっそ馬券は◎○の軸2頭マルチだけでよいかもしれない。

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