「次は、キャスティング権を持つ人たちですね。アニメスタジオの音響監督や、原作者です。そうした関係者のプライベートの飲み会があると、事務所のマネージャーが“◯日に飲み会があるから、顔を出すように”と打診が来ます。そして当日、“ガンガンいけよ”の作戦を出す。若手たちは、なんとしても気に入られるように立ち振る舞い、必死でアプローチするんです。中には、高校生にまで“役が欲しかったら、分かってるよね?”なんて言うこともあるそうです」(アニメ制作会社スタッフ)

 飲み会後の行動については、「あくまで本人次第」(前同)と、本人たちの“ヤル気”に委ねられるという。そこまでしても、アニメ声優の座を手に入れられるのは当然、ほんの一握りだ。そしてアニメよりも、今、声優業界で仕事の比重が急増しているのが、ソーシャルゲームの声優である。CMなどで「声優:◯◯◯◯」と宣伝するなど、声優の名を売りにしているゲームが増えているが、実は、「バイト感覚の収入にしかならない」(同)のだそうだ。

「声を入れるワード数でギャラが決まっており、本当に稼ぎにはならないんです。それに、あれは正直、声優の質なんてどうでもよくて、その声優にファンが少しでもついているか否かが、キャスティングの決め手。無名の若手にとっては関係のない世界です。ただ、ゲームが大ヒットしたりすれば、アニメ化する可能生もあるため、やはり貪欲に“営業”を仕掛ける声優は多いでしょうね」(同)

 とにかく、需要と供給が一致していないという声優界。そんな過酷な状況下にあって、さらに近年、若手声優たちにとって新たな敵が出現しているのだ。それは、AKB48などアイドルの声優転身現象である。

「最近も、元AKB48の島崎遥香が、卒業に際し、“ジブリ映画の声優になりたい”と発言していましたが、秦佐和子(元SKE48)や佐藤亜美菜(元AKB48)、仲谷明香(元AKB48)、石田晴香(元AKB48)が、すでに声優界に定着しています。そうした現象に、古くからの声優ファンたちは快く思わないでしょうが、制作側にしてみたら、“大して実力の違いはないし、売れていない若手声優を使うより、知名度があり、もともとファンがついている元AKBを使いたい”と思うのは当然のことですよ」(メーカー関係者)

 さらに彼女たちの強みは、「関係者へのアプローチ術に長けている」(前同)ことだという。

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