その後も4年連続で2桁勝利を拳げ、“ポスト田中”という重責を担ってきた。ロッテの元捕手で現在は野球評論家の里崎智也氏は、則本の投球をこう評価する。「ストレートが速く、コントロールもいい。そして、変化球、特にフォークが切れる。この3つがそろっているので、面白いように三振が取れるんです。則本は投手として、必要なものをすべて兼ね備えています」

 里崎氏が指摘するように、則本の快投を支えているのは、彼の奪三振能力の高さだろう。実際に則本の今季の奪三振率は、驚異の12.27(6月1日現在)。「田中が、24勝0敗という伝説的な数字を残したシーズンでも、奪三振率は7.77で、則本はそれを遥かに超えています。さらに、ダルビッシュ有が11年に00年以降のシーズンで最多となる276奪三振を記録したときでさえ、奪三振率は10.71でしたから、則本はこれをも上回るペースで三振の山を築いています」(前出のデスク)

 このペースが続けば、田中、ダルビッシュどころか、数々の新記録を樹立する可能性も出てくる。「野茂が達成して以降は、誰も成しえていない4年連続200奪三振、同じく野茂が持つシーズン2桁奪三振回数21などは超えられるでしょう。さらに、9試合連続2桁奪三振となれば、99年にMLBのレッドソックスに所属していたペドロ・マルティネスなどが記録した8試合を抜いて、世界1位となります」(前同)

 つまり、“世界の則本”になる可能性も大いにあるというのだ。ベテランのスポーツジャーナリストが、その大記録の可能性をこう説明する。「則本は、新人のときに奪三振率7.09を記録し、以後、毎年、奪三振率を上昇させて昨季は9.97まで上げてきました。今年は、昨季以上にストレートに伸びが出てきたので、当然、奪三振率も上げてくるでしょう。もっと大きな記録を打ち立てるのも夢ではありませんよ」

 プロ野球界の期待を一身に背負う則本。その「ストレートの伸び」の内容を見ると、彼の“破格さ”がよく分かる。球が伸びるというのは、それだけ球の回転数が多いこと。「則本のストレートの回転数は、球団が発表するデータによれば、1分間の回転数が2500回と、メジャーのトップ投手並みに高いんです。この回転数のおかげで、則本のストレートは打者の手元で伸びるといわれているんです」(前同)

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