98年に、映画『愛を乞う人』で日本アカデミー賞新人賞を受賞。女優として映画、舞台、ドラマで輝き続ける野波麻帆さんに、最新ドラマの話から意外な恋愛観、酒席の秘話まで語ってもらった!
――野波さんが出演中の連続ドラマ『恋がヘタでも生きてます』(読売テレビ系)は、登場人物全員が恋に不器用なラブコメということですが。
野波 原作コミックを読ませてもらったんですが、登場人物みんながすごく素直に生きているのに、どこか空回りしているところがあって……。でも、それが一生懸命な感じで、すごく元気をもらえるんですよ。(週刊大衆の)読者の方って、年齢層が高い方が多いかと思いますが、ある程度、年齢がいくと、恋ってしにくいじゃないですか。そんな方がご覧になると、青春時代の甘い恋を思い出して、胸がキュンキュンするんじゃないかなって思います。
――野波さんが演じるのは主人公・美沙(高梨臨)が勤めるゲーム会社の取引先会社の女社長です。
野波 私が演じる和久井遙香という女性は、実は原作に出てこないんですね。
――ということは、役のイメージを作りづらかった?
野波 そもそも女社長という役自体、ほとんど演じたことがなくて。だから、役作りも監督と打ち合わせの段階では、一人の女性としてちゃんと地に足が着いていて、美沙から見たら目標となる、羨ましいと思われる女性であってほしいと言われたんです。
――なるほど。野波さんは女社長と聞いて、どんな女性を想像しましたか?
野波 きびきびして、シャキシャキして、みんなから好かれている……一方で、完璧で隙がない、というのかな。私自身、そういう人には、これまで会ったことはないんですけど(笑)。
――確かに、そうはいませんよね。
野波 実際、演じるとなると、不安はありましたね。そんなふうに演じられているのか、さっぱり分からなかったので。だから、探り探り……って感じでした。
――ドラマを拝見させていただきましたが、クールな感じが出てましたよ。
野波 そうですか~、フフフフ。でも、監督からは“ミステリアスな感じで演じてほしい”ってお願いされて。
――ミステリアス?
野波 何を考えているのか分からない……視聴者から見て美沙の味方なのか、ライバルなのか分からないように演じてほしいと。