島田「ビックリするわ。で、そのときやったな。2人でタクシーに乗って観光地の川平湾に行ったんや」
ゆま「海がキレイな、めちゃくちゃステキなところですよね!」
島田「そうそう。でも行ったら、カップルばっかりや! そんなところにオッサン2人やで。アホすぎるやろ。しかも、そんな場所で、たけしは真面目な顔になって、“俺、刑務所に入ったら、どうしよ……”って(笑)。まあ、当時はまだ裁判中やったからな」
ゆま「観光ビーチで、そんな会話を……(笑)」
島田「おう。で、たけしは“俺が刑務所に入ったら、お前、隣に来いよ”って真面目にいうんや。アホか! そんなにうまいこと、隣同士になるかって」
ゆま「アハハ!」
島田「でもな、そんときにな、“カップルばっかやけど、海はほんまにキレイやなあ”って、2人で川平湾を見とったんや。今はだいぶ観光地化されたけど、20年前はもっと自然で、すごかった。たけしの映画の“キタノブルー”あるやんか。あれは、あの海の色の印象からきてるんやで」
ゆま「ええ!?」
島田「ホンマ、ホンマ。この前、たけしと一緒に旅番組をやったんやけど、そのときにこの話をしたら、あいつも否定せんかった」
ゆま「いやあ、ビックリ」
島田「あいつのことを語りだしたら、朝までかかるで。あいつは寂しがり屋のうえ、めちゃくちゃシャイなんや。特にべっぴんさんの前では、ほんま、人が変わるで」
ゆま「聞きたいです。どんな感じになられるんですか」
島田「とにかく緊張して、照れてまうんや。一回ね、俺の知り合いのスチュワーデスらと食事することになったんや。もちろん、たけしも呼んで」
ゆま「今で言う“合コン”ですね!」
島田「そやな。で、まあ、キレイな姉ちゃんばっかでな。そしたら、たけしはカチコチに固くなって、“北野です……”って、めっちゃ緊張しとんねん(笑)」
ゆま「かわいいですね!」
島田「ほんで、あいつはまったくしゃべれへん状態やったんやけど、ようやく口を開いたと思ったら、なんて言ったと思う?」
ゆま「えっ? なんだろう……?」
島田「“あの、血液型は?”って(笑)。“らしく”ないやろ~。俺は爆笑してもうたわ。ド素人やわ」
ゆま「アハハ」
島田「そのくせ、あいつはべっぴんさんにモテるんやなぁ。でも、あいつは美人の前では、そんな感じやから、いつもうまくいかんのよ~」
(次号に続く)
島田洋七 しまだ・ようしち
1950年2月10日、広島県出身。1975年に島田洋八と結成したお笑いコンビ『B&B』で大ブレイク。漫才ブームのパイオニアとなる。87年に自費出版した著書『振り向けば哀しくもなく』は、後に『佐賀のがばいばあちゃん』と改題し、これまでに全世界で600万部以上を売り上げる大ヒットになっている。
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