「2人とも故障が原因で、開幕に間に合わなかった。首脳陣は彼らが万全であることを前提に、シーズンを乗り切るプランを立てていたわけですから、この2人が開幕から出られないというのは大きな痛手だったと思います」(前出のデスク)

 陽は6日の西武戦から戦列に復帰。初戦から先制タイムリーを放ち、連敗の中にも希望の光を覗かせた。一方の山口も最速150キロの速球をコンスタントに投げられるまでに回復。14日には移籍後初勝利をマークした。とはいえ、2人の復帰はあまりにも遅かった。

「実は、陽も山口も、ともに故障持ちであることは分かっていた。だからこそ、日本ハムやDeNAは彼らを手放した。しかし、巨人のフロント陣は開幕には間に合うと判断し、獲得に動いた。その読みが見事に外れたわけです。そうした事情を知る関係者たちは、巨人の補強担当の見る目のなさをあざ笑っていますよ」(スポーツ紙ベテラン記者)

 ある意味、巨人連敗の本当の戦犯は、デタラメな補強を繰り返す巨人のフロントだというのだ。「そもそも、このオフにFA権を取得した選手のナンバー1、2は、陽岱鋼、山口俊ではなく、糸井嘉男、岸孝之の2人ですよ。岸は星野仙一氏が“巨人には獲らせまい”と動いたようですが、なりふりかまわず獲得に動けば、阪神や楽天に奪われず、この2人の選手を両獲りできなかったわけではありません」(前同)

 また、巨人内部には、現在、打率3割3分3厘と首位打者の中日・大島洋平を推す声もあったという。「しかし、最終的に陽岱鋼獲得に舵を切ったのは、台湾進出を目論む事務方の“戦略”が優先されたという事情があったからだといいます」(同)

 獲った選手は開幕に間に合わず、獲らなかった選手が活躍する。やることなすことが、裏目に出てしまっているのだ。最後に、野球評論家の里崎智也氏はこう言う。「こういうときの“特効薬”などありません。止まない雨はないことを信じて我慢するしかないでしょうね」

 ドン底の由伸巨人に光明が差すのは、いつの日か?

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