東京都議会の議員定数は127。小池都知事率いる都民ファーストの会の公認候補は現時点で48人だ。朝日新聞の最新の世論調査によれば、有権者の投票先は自民党27%、都民ファーストの会27%と拮抗。一方、日経新聞の調査では「都民ファーストの会には期待しない」とする回答が60.4%に達している。

「小池さんとはそこそこ連絡を取ってますが、私は公認候補の選考や政策立案には関わっていません。ただ立候補予定者の資質はいいですよ。公認会計士、弁護士、バリバリのビジネスパーソンと多士済々。気概を持つ専門職の人が多い。自民党都連は“知事が政党を率いることは二元代表制に反する”と批判してますが、逆に専門性・資格を有する議員は信念に基づき発言できて、議会が活性化すると見ています。

 懸案の豊洲市場移転問題にしても安全・安心はもちろんですが、それだけでなく、将来的な事業採算性も重要。赤字を垂れ流さず、少しでも減らすにはどうするかを検討するために多少、時間がかかってきた。税金の賢い使い方に頭が回らない自民党が躊躇なく6000億円をジャブジャブ使ったうえ、何の手立てもなく、豊洲にとにかく移れということのほうが疑問(編集部注・小池都知事は20日に豊洲・築地両立構想を表明)。

 都民ファーストの会は地域政党なので、今すぐ国政進出ということは考えにくい。ただ、それも都議選の結果次第でしょうね。都民ファーストがまだ、一般の方々に浸透していないということが各世論調査の結果につながっていると思います。今後、“都民ファースト=小池知事”ということを分かってもらえれば、風は吹くと思います。私自身は、自民党の離党届が受理されても、都民ファーストに入ることは考えていません」

 その若狭氏の議員会館の部屋の入り口から最も人目につく場所に、石破茂・元防衛大臣のポスターが掲げられている。若狭氏は自民党時代、石破派に所属していた。「石破さんは自民党の中で、しがらみから最も遠い人物と言えます。相手が安倍首相であっても言うべきことは言うという人で、しがらみに屈してはいけないと話す人です」

 その若狭氏が今、行動を共にする人物は、小池知事である。「東京都の予算13兆円はスウェーデンの国家予算に匹敵する。いわば東京都知事は“東京国の大統領”のようなものなんです。その強大な権限をうまく使えば、小池さんの言う東京大改革を前進させることができる。しがらみ政治から脱却し、50年後に小池都政は素晴らしかったと評価されるような改革を実現してもらいたい。私も座右の銘“千万人と雖も吾行かん”(孟子)を肝に銘じて、微力ながら、お役に立ちたいですね」

 決意を固めた若狭氏。30日発売の書籍『参謀力』も目を通すべきだろう。

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