「アメリカの大学に進学する、という説です。将来のメジャー入りを考えれば、ありうる話ですね」(前同)

 ただ、そうした奇策を使わずとも、清宮ほどの逸材なら、普通に日本球界で経験を積めば自然にメジャーへの道は開けるはず。清宮がプロ入りする場合、巨人は当然、ドラフトで指名に動くと目されている。「清原や立浪のように即、活躍できるという保証はありませんが、将来のことを考えれば、獲得しておくべきでしょう」(野球解説者の江本孟紀氏)

 だが、問題は、清宮がプロ志望届を出した場合、確実に多くの球団との競合になること。巨人といえば、かつてはたび重なる“ドラフト破り”で有名だった。「有名なところでは、1977年オフ、他球団に指名された江川卓を米国留学させ、交渉期限切れの翌日に帰国させて入団交渉したうえ、それに抗議して再ドラフトで獲得した阪神との“電撃トレード”まで行って獲得した“江川事件”。2011年には、日本ハムからの指名を拒否して菅野智之が大学留年したりもしています。しかし、今の巨人には清宮に対して、そこまでやれるコネも力もないでしょう」(専門誌記者)

 すなわち、ドラフトの宿命として、「清宮獲り」はクジ運に頼らざるをえない。そこでやはり、旧来の「FAで他球団の有力選手を獲得する」という手法も検討することになる。「若手が育たなくなった原因」と批判される巨人のFA戦略だが、前出の江本氏は「それでもFAでの有力選手獲得に動くべきだ」と主張する。

「最近、広島は育成上手などといわれますが、去年優勝するまで、25年間も優勝できなかった。巨人が、そこまで時間をかけて選手を育てるのは無理でしょう。獲れる選手は積極的に獲りに行くべきです」(江本氏)

 今オフにFA権を取得する選手は、日本ハムの増井浩俊、中田翔、ロッテの涌井秀章、唐川侑己、西武の牧田和久、秋山翔吾、オリックスのT-岡田、阪神の大和・福留孝介など。「この中で、巨人が欲しいとなれば増井、中田、牧田、秋山、T-岡田あたりでしょうが、T-岡田は昨年の契約更改で3年契約を結んでいるし、秋山も涌井も3年契約の途中です」(スポーツ紙デスク)

 ということで結局、可能性があるのは牧田と増井、中田翔ということになる。「牧田は昨年の契約交渉で、複数年契約を提示されましたが、それを拒否して、あえて単年契約を結んでいます。西武を出る気と見て間違いないでしょう」(前同)

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