増井は、今年が2年契約の最終年。中田もチームを出ることが確実視されている。だが、FAの獲得枠は1チームに2名という制約があるため、「巨人のチーム事情を考えると、投手1名、打者1名の獲得に乗り出すと思われます。特に、弱点となっている投手の補強の一番手として名前が挙がるのは、やはり牧田でしょうね」(専門誌記者)

 WBCで各国の強打者をバタバタと斬ってとった快投が記憶に新しい牧田には、年俸2~3億円が提示されると、もっぱらの噂だ。一方、打者となると残るは中田になるが、「阪神との間にすでに話がついている」(前同)との見方が有力で、牧田と増田の投手両獲りの可能性も残るという。さらに、どうにも湿りっぱなしのギャレットとクルーズの代わりになる、新たな外国人選手も必要だ。

「とはいえ、中日のビシエドや広島のジョンソン、ソフトバンクのバンデンハークといった優良選手は、みな複数年契約中。今オフに契約が切れるヤクルトのバレンティンは強打者ですが、破天荒なキャラで巨人にはそぐわない。新しい選手を見つけないことには厳しいですね」(前出のスポーツ紙デスク)

 そんな中、実はナベツネ氏が「なんとしても獲れ」と号令をかけているという噂のある選手がいる。「ズバリ、楽天の則本昂大です。連続2ケタ奪三振の日本記録を作ったパ・リーグNo.1投手を、なんとしても我が物にしたいというところでしょう」(前同)

 もちろん、まだ4年目の若手エースがそう簡単にチームを離れるはずもない。FA権の獲得ははるか先だし、トレードを画策しようにも、菅野や坂本など、よほどの大物を出さない限り、成立は困難と見られている。「それでも、出血覚悟で獲得に走る可能性さえ否定できない。それほどの危機感を今の上層部からは感じます。他にもいい選手がいれば、シーズン中のトレードも辞さないでしょう。とにかく、なんとしてもチームを立て直さなければならないんです」(巨人軍関係者)

 ずいぶん気の早い話ではあるが、“盟主復活”には待ったなしということ。後半戦、そして陣容を整えての来季の巻き返しは、はたしてあるのだろうか――。

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