高橋一晃(テレビプロデューサー)「子育てっていいこと尽くめ、それをみんなに薦めたい」子育てで磨いた人間力

 昔は、ゴルフが大好きで、年間56ラウンドやっていたこともありました。(笑)。週一ペースです。夜は夜で毎日のように誰かしらと飲みに行っていました。子どもが生まれ、積極的に子育てをするようになってから、生き方が180度変わりました。

 子どもが生まれてすぐの頃は、“ああ、ゴルフ行けないのか”って思ったりもしましたけど、いざ子育てに真剣に取り組んでみると、ゴルフより子育ての方が楽しい。でも、僕より上の世代の方々は、私が子育てって楽しいですよね、と言うと「そうかなぁ」「珍しいこと言うね」と反応する方が今でもいる。これが現実。日本はまだまだ「男は外(そと)。女は家(うち)」が色濃く残っているんだと肌で感じています。

 でも、子育てしていると、いいことがたくさんあります。そもそも、僕が子育てに目覚めたのは、よく遊んでいた大学時代の友人と再会したことがきっかけでした。昔の友人と会うと、大半「あの時はバカなことしたよな」と昔話で盛り上がるじゃないですか。それはそれでいいんですが、やがてお互いのプライベートの話になり、子どもの話になったら、昔話よりも遥かに実のある内容になり、かなり盛り上がったんです。過去の話ってあまり前向きになれない。でも、子どもの話だと、未来のことを話せるし、何よりも昔の友達と「今」を語り合えるし、すごいいいなって思ったんです。

 それに、その友人は、学生時代はすごいヤンチャだったのに、顔つきがもう別人のように穏やかになっていたんです。それで、子育てを真剣にやってみようかなと思いました。

 子育てに真剣に取り組むことによって、「忍耐力」がつきました。テレビ番組を作っている人はいい意味でも悪い意味でも「熱い人」が多い。タレント・俳優・文化人と接することが多いので、いつも緊張感を持っている。場の空気を緊張感あるものにするためにも、ガツンと怒るときは怒るようにしています。いや、していました。

 それが子育てで変わりました。子どもと接しているとき、親の思った通りにいかないことが当たり前です。怒鳴って、親の考えを押しつけてしまうことは簡単ですが、それじゃあ子どもは成長しない。何が悪いのか、子どもが自分で気づくまで待たないといけない。

 仕事も同じ。失敗を繰り返す部下にすぐ怒鳴ったりしていましたが、子育てするようになって、やみくもに怒ることがなくなりました。キレやすいと部下も話しかけたくなくなってしまうじゃないですか。子どもと接するときと同様に仕事仲間ともじっくりと接する。子育てで体感したことが、仕事上でもたくさん役立っています。

  1. 1
  2. 2