今季のトレード期限は7月31日。それまでに、もしかしたら大きな動きがあるのかもしれない。昨年日本一に輝いた日本ハムは今季、成績が低迷。これは、やはり“二刀流”大谷翔平の不在が大きい。「ケガからの復帰が予想外に長引いていますね。このままでは、今オフに確実視されているメジャー移籍にも暗雲が漂うかも……」(日本ハム担当記者)

 大谷は、6月20日にようやく一軍に合流。すでに戦線復帰しているものの、スポーツ紙に対して「足首も含めて、ベストな状態に今年は持っていけないんじゃないかなと思っている」と吐露している。

 これでは、確かにメジャー球団も獲得を躊躇してしまいそうだが、一方で、この“大谷隠し”は、日本ハムの作戦との見方もある。「下手に出場させて商品価値を下げてしまうより、万全に回復させてポスティングで値を釣り上げたほうがいい――日ハムは、そういう考え方の球団ですからね」(前出の担当記者)

 いずれにしても、今季は……それどころか、日本ではもう二度と、160キロ近い球をビュンビュン投げ込む大谷の姿を拝むことはできないかもしれない。「まあ、球団がそう考えていたとしても、実際はケガを理由に安く買い叩かれるかもしれません。日ハムも頭の痛い賭けですが、別の意味で頭が痛そうなのは、菊池雄星が絶好調の西武です」(民放局野球担当記者)

 昨年12勝して開眼した菊池は、今季も7勝2敗、防御率1.43(6月22日時点=以下同)と絶好調。「その菊池、どうやら、昨オフの契約更改で、“今年15勝すればメジャー行きを認める”と球団から言質を取ったようなんです。この調子なら、15勝は達成できてしまいますね」(前同)

 せっかく育ったエースの流出危機に直面する西武だが、問題がもう一つ。「今オフにFA権を取得する牧田和久です。昨オフ、牧田は球団からの複数年契約の提示を断り、年俸1億円の1年契約を選択。これは、今季限りで西武を出るシグナルです。昨年の岸孝之に続いて、今年で菊池と牧田が退団すれば、投手陣の大幅戦力ダウンは否めません」(同)

 牧田は今年3月のWBCで大活躍し、評価を高めた。「WBCでの活躍はメジャー行きの切符に直結するため、多くの有力選手がアピールを期して出場します。ですが、おかげで調整ペースが狂ってシーズン中に不調に喘ぐ“WBC症候群”が、毎回発生。今年も、やはりありましたね」(専門誌記者)

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