それを追う阪神は、投手陣が堅調。2.90というチーム防御率は、こちらもダントツの1位だ。金本監督の、中心選手以外はめまぐるしく選手を入れ替える“超変革”作戦も、現状では成功している。「ただ、“やりすぎとちゃうか”との声も聞かれます。勝ちパターンをきちんと作って、バタついたときに戻れる“基本の形”を持っておかないと、崩れたら止まらなくなる可能性もありますよ」(阪神担当記者)

 そして、ここへきて怖いのが、調子を徐々に上げてきている中日。「昨年途中で谷繁元信前監督が実質解任されるなど混迷したわりには、主力の大島洋平、平田良介がFA権を行使せず残留してくれたので、なんとか戦力ダウンを防げましたからね」(中京地区の民放記者)

 実は、この残留劇は“ある人物”のおかげだという。「平田はヤクルト、大島は巨人に移籍するとみられていましたが、落合博満GMが今年1月で退任すると分かるや、両者とも翻意したそうです。偉大な成績を残した落合氏ですが、本当に人望がないんですね……(苦笑)」(前同)

 さらに、ビシエド、ゲレーロの両外国人がようやく打ち始め、Aクラスを狙う巨人と横浜の最大の脅威になると目されている。逆に息切れ気味なのが開幕以来、気を吐いていたオリックス。エースの金子千尋が少しお疲れの様子なのが、その原因だ。「金子一人では限界があります。ルーキーの山岡泰輔は好投しているし、同じくルーキーの黒木優太も早くもリリーフエースの風格を見せていますが、もう2枚ほど信頼のおける先発がいないと、Aクラスは厳しい」(前出の在阪記者)

 さらに深刻なのは、勝率がギリギリ3割と壊滅的なロッテ。戦力的にそれほど問題はないのに、今年は実力を発揮できていない。「韓国のロッテ本社のお家騒動で、球団オーナーでもある重光武雄前会長が解任されたうえ、父を放逐した次男の重光昭夫会長(球団オーナー代行)も、朴槿恵前大統領のスキャンダルに巻き込まれていますからね。千葉に本社を置くZOZOTOWNなど身売り先の名も聞こえますが、“野球どころじゃない”と売却を考える余裕すらない有様。これでは、選手も身が入りませんよ」(専門誌記者)

 同じくセ・リーグで「どんなに負けても下がいる」と他チームのファンから感謝(?)されているヤクルトだが、朗報もある。「今季、バレンティンと再契約したものの、外国人は異例の単年契約。その理由は、日米通算2000本安打を達成した青木宣親が来年、帰ってくるからだともっぱらです。元気のないチームのカンフル剤になるといいですね……まあ、来年の話ですが」(前同)

 人生いろいろ、チームもいろいろ。それぞれの事情を抱えつつも、ひとまず球宴を挟み、シーズンは折り返し地点へ。野球の女神が最後に微笑むのは、はたして、どの球団なのだろうか。

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