「前々回の都知事選のとき、僕は(脱原発を掲げる)細川(護熙氏、元首相)さんを応援していました。その頃、安倍首相と昭恵夫人の不仲説というのがささやかれていましたから、原発反対派の彼女に応援してもらえないかと思い、連絡してみたんです。そしたら、首相公邸で実際に会ってくれたんですよ。結局、“シンポジウムでの応援ならともかく、選挙の応援となると主人との関係が……”と断られました。そのとき、谷さんも同席していましたよ。実は官僚時代、谷さんが僕の部下だった時代がありました。東大卒のノンキャリで、“偉くなりたいと思っていません”と言っていたのが印象的でしたね。優秀で能力があった人ですから、首相夫人付に抜擢されたんでしょう。なんでもない人を夫人付にはできませんからね。

 ただ、いくら優秀だといっても、安倍首相や昭恵夫人と無関係に、財務省の管理職と彼女が直に交渉することは本来はありえません。なぜかというと、財務官僚が他省庁の官僚と予算折衝する際、相手はワンランク上でなければならない。谷さんのような他省庁の課長補佐級で、しかもノンキャリなら、財務省のキャリア管理職は雲の上の人。“こんにちは”と気楽に挨拶することすら憚られる相手。ですから、そこには何かがあったはずなんです」

 森友、加計問題で内閣支持率は急落。読売新聞の調査でも支持率は49%と前回調査の61%から大幅に下落。東京都議会議員選挙は、安倍政権の行く末を占うものとして注目されていた。

「これまで安倍政権を守る最大のバリアは、自民党に代わる受け皿がなかったことですが、小池新党(都民ファーストの会)ができて、状況が変わりました。おそらく、都議選では都民ファーストが大躍進するでしょう(取材は都議選前)。その勢いを駆って、次の総選挙では“国民ファーストの会”という国政のための政党を作り、中央に進出するという流れになるでしょう。かつて、橋下徹氏がたどった道です」

 橋下氏が顧問を務めていた日本維新の会の代表である松井一郎大阪府知事から、古賀氏はかつて、府知事選出馬を打診されていた。

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