「2011年の府知事と大阪市長のダブル選挙のとき、堺屋さん(太一氏、旧通産省出身の作家)を通して松井さんらと会い、知事選の出馬をお願いされたことがありました。堺屋さんに、“会ってほしい人がいる”と言われて、彼の自宅に行ったら、松井さんや府の経済関係者らがいたわけです。うなぎか寿司かを食べながら、“府知事選に出てください”とお願いされて。固く断ったわけですが、1~2週間後に再度要請されました。それもお断りすると、今度は新聞にリークされ、全国紙の大阪版の一面に大きく出ちゃったんですよ。読売新聞の記者なんかは、“出ないんですか? 出ないと、出るって報じちゃったウチが誤報になります”なんて言ってきた(苦笑)。

 結局、出馬は松井さんになった。選挙後、橋下さん(当時は大阪市長)と会い、府市統合本部の特別顧問をお願いしたいと言われたので、そちらはお受けしました。『維新八策』を考えたりしましたが、石原さん(慎太郎氏、元東京都知事)が合流したのを機に離れました」

 その橋下氏には、民間大臣として入閣するという話がささやかれている。

「それを、どのタイミングにするのかは分かりません。次なのか、あるいは来年なのか。安倍首相が狙う改憲の直前に持ってきて、その人気で支持率を上げたままで国民投票というのが一つ考えられるでしょうね。橋下さんは、天下りなどの利権にしっかりとメスを入れ、改革を実行する人です。そのための世論形成はうまいし、官僚としては仕えにくい相手です。

 一方の小池さんも巷では改革派といわれていますが、彼女を霞が関で改革派だと思っている官僚はいないと思いますよ。実際、彼女は改革派の集まりに一応、顔は出しますが、大事なところでは何もしないで、いつもスッといなくなる。市場移転問題も、行政側としては早く決めてくれと思っていたはずです。でも、彼女としては、“決められない”ままでも支持率が下がらない限り曖昧にしておき、選挙前に“豊洲も築地も”と判断しました。選挙にどう使うかだけを考えていたとしか見えません」

 政界暗部を激白した古賀氏。新たに掲げてもらった「I am not ABE」のボードに込められた思いは深く、強い。

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