ヒアリだけじゃない!? 凶悪「外来毒虫」に要注意!の画像
ヒアリだけじゃない!? 凶悪「外来毒虫」に要注意!の画像

 新たな“外来毒虫”が日本に上陸したという。5月20日、神戸港に到着した貨物船のコンテナ内に、特定外来生物に指定されているヒアリ(南米産)が紛れ込んでいたというのだ。「環境庁はコンテナ内を燻蒸消毒するとともに、捕獲トラップなども設置。まさに、1匹の蟻を相手に“非常線”が張られました」(全国紙社会部記者)

 ヒアリは強い毒性を持ち、刺されると最悪の場合、アナフィラキシーショックで死に至るケースもあるという恐ろしい害虫。「ヒアリ以外にも外来種の害虫は存在します。有名なのがセアカゴケグモ(オーストラリア産)ですね。日本では1995年に発見され、現在は42都道府県で確認されています」(前同)

 セアカゴケグモが生息しているのは、ベンチの裏や自動販売機の下など。誰でも出くわす可能性があり、「刺咬されると、進行性の筋肉麻痺が生じるほど」(医療関係者)という。

 ヒアリの仲間である「アカカミアリ(中南米産)」も要注意で、日本では沖縄本島、南鳥島、伊江島、硫黄島でも発見されている。肌の露出が多い夏場は、こうした毒虫に注意が必要だが、どう対処すればよいのか。国立環境研究所の生物・生態系環境研究センター室長で、農学博士の五箇公一氏に聞いてみた。

「相手は蟻なので刺されるときは刺されます。大事なのは刺された後。道を歩いていて“痛い”と感じたら、一人にならないことです」 すぐに病院へ……と考えるのも、間違いだという。

「誰かにそばにいてもらってください。症状が出る場合、刺されてから10~20分程度なので、一人で病院に向かっている最中、倒れてしまう危険があるんです。ただ、今回の騒動は騒ぎすぎている感があります。確かに蟻に刺されたら、ヒアリかもと疑ってかかるべきですが、症状が出るかどうかは体質によります。“誰もが刺されたら危険”というわけではないんですね」(五箇氏)

 昆虫食でもおなじみの“地球少年”こと篠原祐太氏も、こう語る。「彼らも私たちと同じく、この地球に生まれ、必死に生きている。同じ命。大切なのは、ニュースの情報だけを聞いて不必要に怖がることではなく、彼らを知ろうとする姿勢。知れば知るほど愛おしい一面も見えてきます。そのうえで、一人一人が然るべき対策を取れば、この地球で共存できる」

 いたずらに騒ぐことなく、危険な生物が身近に潜んでいることを知ったうえで、対処法を確認しておくことが不可欠だろう。

本日の新着記事を読む