――厳しい意見が飛び出しました。

錣山 フフフ。逸ノ城は24歳かぁ。いつまでも若いわけじゃないから、もっと自分をいじめないとね。モタモタしているうちに、貴乃花部屋、ハタチの貴景勝が前頭筆頭まで上がってきました。高校を卒業して3年目。体に重みが出て、頼もしい存在になってきた。稽古もよくやっているみたいだしね。そして、気持ちが強いですよ。貴乃花部屋からは先場所十両に上がった貴源治(20=現・幕下)とか、やる気にあふれる若手力士がいて、切磋琢磨しているのがいいんでしょう。

 それと、大学2年のとき、学生横綱を獲って、学生時代は正代とライバル関係にあった北勝富士(24)。学生の頃は技術で勝っていたところもあったけれど、最近、前に出る相撲が身についてきて番付を上げてきましたよね。楽しみな若手です。

――では、十両力士に目を向けてください。

錣山 すごく不思議に感じるのは、関脇も経験した技能派の妙義龍(30)と、先場所新入幕だった豊山(23)が十両にいるということ! 豊山は入幕を機に、時津風部屋伝統の四股名・豊山を名乗ったんですが、4勝しか挙げられずに、十両に落ちた。体も申し分ないし(185センチ、183キロ)、突き押しの威力もあると思うんだけど、なんで勝てないんだろう?

 若手だと、21歳の明正ですね。立ち合い、思いっきり当たっていくタイプで、相手に変わられてしまうケースもあるけど、今はそれでいいんじゃないかな?

 ウチの部屋の(再十両の)阿炎(23)? まだまだ全然ダメです! 2年ぶりに十両に復帰しましたが、すべてにおいて足りないところが多いし、私は毎日怒ってばかりです(笑)。

 今後、新十両を狙える幕下力士を挙げるとすると、大成道(24)、“山形の白クマ”こと白鷹山(22)あたりでしょうか?

――若手の活躍も楽しみですね。さて、ズバリ名古屋場所の優勝を占っていただきたいと思います。

錣山 一番手はなんと言っても白鵬。場所前の稽古も十分みたいだし、調整がうまくいっているんじゃないかな? 稀勢の里の横綱昇進で、再び闘志を燃やしている感じがします。白鵬に続くのが、パワー相撲が復活した照ノ富士。三番手に稀勢の里、日馬富士、鶴竜の3横綱で、六番手が高安。今場所、高安が六番手というのは低めの評価かもしれませんが、馬力は素晴らしいものを持っています。もう少し相撲を変えたら、個人的には横綱も夢じゃない力士だと思っています。

 名古屋場所はまだ始まったばかり。力士たちの“熱い戦い”に注目したい。

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