「夏の食中毒」意外な食材が危ない!?の画像
「夏の食中毒」意外な食材が危ない!?の画像

 今年も半分終わったところで“ガス欠気味”……という方は黄信号。弱った体をウイルス、菌が狙い撃ちにやって来る!!

「東京晴れ35℃」 梅雨時期ながら、気温は上昇。ムシムシ、ジメジメな不快な日々――“食中毒”の季節の到来だ。「梅雨から秋口までは、高温多湿な気候が続き、細菌やウイルスが増殖します。食中毒が増えるのも、無理からぬことですよ」と言うのは、東京都大田区にある「宮元通りクリニック」の渡会敏之院長。

 例年のことではあるが、今年の件数は6月半ば以降の半月だけで、目を覆いたくなるほどだ。「6月12日には、東京の焼肉店で食事をした32人が食中毒にかかりました。また、愛知県では、私立高校で12~15日に宅配弁当を食べた高校生ら31人が、大阪府の居酒屋では17日に鶏の刺身などを食べた21人が下痢や腹痛などの症状を訴え、一部の人から食中毒を起こす細菌が検出されています」(全国紙社会部記者)

 老人や乳幼児、体力低下が著しい人にとっては、“死を招く”ことにもつながる食中毒。大人でも、疲れ気味の人は要注意だ。そこで今回は、「夏の食中毒」の万全対策を徹底取材した。

 まずは、基本の「キ」。前出の渡会院長は、日常生活での注意点をこう強調する。「言うまでもなく、“手洗い”は非常に大事です。加えて、外食時には、できるだけ生モノを控えることと、しっかり火を通したものを口にすること。これに尽きますね」

 ただ、これだけでは万全ではない。「避けたほうがベターな“危ない食材”もあります。これについては、厚生労働省が注意喚起していますよ」(食品コンサルタント) それが、厚労省が発表している『食品の食中毒菌汚染実態調査の結果』だ。

「抜き打ち検査で、食材が食中毒菌を基準値以上に持っているかどうかを調査したものです。検査対象は一般的な“大腸菌”“サルモネラ菌”、大腸菌の中でも特に凶暴なO-157などの“腸管出血性大腸菌”――大きく分けて3種類の食中毒菌です」(前同)

 その最新データを見ると、意外な食品の名前がズラリと並んでいる。その中には、安くて旨くて何にでも合う、シャキシャキ感も抜群の“あの食材”の名前もあった。「もやし」である。検体の実に50%が“陽性”(すべて一般大腸菌)と判定されたのだ。「食中毒の面からみれば、もやしの栽培環境は最悪。細菌の増殖環境である“高温”“十分な水分”“十分な栄養”という3条件を完璧に満たしているのです」(食品衛生責任者)

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