桑野「やっぱり、このたるんだ精神と肉体を鍛え直そうと思ってね。空手の中でも新極真空手は厳しいことで有名なんだよ」

ゆま「あえて厳しいことに挑戦するなんて、素晴らしい!」

桑野「もともと自分を追い込むのが好きなんだよ。Mなんだね(笑)」

ゆま「へえ~(笑)」

桑野「それに、この年になると、なかなか怒ってくれる人がいなくなるんだよね。でも、道場に行くと違う。小学生であれ中学生であれ、俺の先輩なんです。道場で俺が雑巾がけをしているとき、先輩の小学生は掃除機を使っているんだから」

ゆま「ええ~!? そういう世界なんですね」

桑野「そうだよ。稽古も一番、後ろのほう(笑)」

ゆま「なかなか、できることじゃないですね。尊敬します」

桑野「うん。まあ、いまさらながら後悔しているけどね(笑)。ただ、長いこと芸能界にいても、別の世界に行けば自分なんて、ただの下っ端に過ぎない。そういうことを常に実感しておかないと、どんどん自分がたるんでしまいそうでね」

ゆま「桑野さん、本当に格好いい! 桑野さんのブログを読んでも、ためになる話がよく書いてあるんですね」

桑野「まあ、格好いいことは言っているけど、すべて自分に言い聞かせているだけだよ。俺自身はお調子者で、すぐに羽を伸ばしちゃう、いい加減なタイプだから。ゆまちゃんは何か、趣味とかあるの?」

ゆま「私は海外ドラマを見たり、ギターを弾いたりとか……あ、そうだ。最近、ダイビングを始めたんです。潜るほうの」

桑野「ほお、ダイビングかぁ。俺、ダメなんだよな。トラウマがあるんだ」

ゆま「え? どんな?」

桑野「昔、志村さんの特番でね。沖縄に行ったとき、俺が水中に潜って、ホワイトボードで掛け合いをやるって企画があったんだよ。俺はダイビング初めてでね。インストラクターの人と潜ったんだけど、その日、嵐が来ていたんだ。ただ、時間がないというんで、強引に潜ることになって……」

ゆま「どうなったんですか?」

桑野「カメラマンの人が、いきなり流されてさ。本気で“助けてくれ~”って。もちろん、大事には至らなかったけど、あれ以来、怖くて仕方ない」

ゆま「そうなんだあ。ダイビング仲間を探しているんですけど……私が“桑野さん、一緒にやって”と頼んでも?」

桑野「ゆまちゃんに頼まれたら……そうだなあ。う~ん、やっぱりダメだ。俺は陸で待ってる(笑)」

ゆま「ええ~、残念……」

(次号につづく)

桑野信義 くわの・のぶよし
1957年4月4日、東京都生まれ。75年、鈴木雅之らとともに『シャネルズ』を結成。『ランナウェイ』ほか、数々のヒット作を生み出す。83年、グループ名を『ラッツ&スター』に改名、『め組の人』が大ヒットとなる。80年代後半からバラエティ番組にも出演し、『志村けんのバカ殿様』(フジ系)は現在もレギュラー出演を続ける。

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