桑野信義さんとの対談・後編です。前回は、桑野さんとその息子さんでミュージシャンのMASAさんとの面白親子エピソードに始まり、60歳にして始められた新極真空手の話などを聞かせてもらいましたね。
さて、私はこの夏、桑野さんがずっと出られてます志村けんさんの舞台『志村魂』に出演させてもらいます。大先輩の桑野さんに、いろいろとアドバイスしてもらいたいと思います。
ゆま「いよいよ今年も『志村魂』の時期ですね」
桑野「ゆまちゃんと初めて会ったのも、そのときだよね。3年ぐらい前だっけ」
ゆま「はい!」
桑野「確か、顔合わせのときだよね。あれはイヤだったでしょ?」
ゆま「最初の顔合わせですよね(苦笑)……あれはもう、ほんと、独特の雰囲気で、手汗が止まらなかったです」
桑野「タレントさんだけじゃなくて、お偉い人がたくさん来ているんだよね。あの雰囲気で、あいさつするのは緊張するよね。俺でもイヤだ」
ゆま「もう、とにかく大きな声でハッキリと話すことだけを考えていました」
桑野「意外とね、お笑いの人ばっかり集まっているのに、あの場所ではあんまりちゃかさないんだよね」
ゆま「もしかして、桑野さんも毎回、緊張されています?」」
桑野「ごめん。俺はさすがにもう緊張しないなあ~。だって、志村さんとは30年以上のつきあいだもん」
ゆま「志村さんと桑野さんの出会いも聞きたいです」
桑野「俺はフジテレビの番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』だったね。もちろん、めちゃくちゃ緊張したよ。で、初めて収録前に楽屋へあいさつに行ったんだよ。そしたら……」
ゆま「な、何が起こったんですか?」
桑野「志村さんはパンツ一丁で、加藤(茶)さんとコントの練習をしていたんだよ(笑)。もう慌てふためいて、“すみませんでした~!”と叫んで、楽屋のドアを閉めた覚えがあるよ」
ゆま「アハハ。パンツ一丁ってところがいいですね」
桑野「そういえば、このコーナーに志村さんも出ていたね。あのときは、どんな感じだったの?」
ゆま「お酒を飲みながら、対談させてもらいました」
桑野「え? なんで今日は、お酒がないの?」
ゆま「あっ、すみません。今から用意しましょうか」
桑野「アハハ。冗談だよ、冗談。それに志村さんはお酒を飲んだほうが、しゃべってくれるからね。でも、仕事の話ばかりでしょ?」
ゆま「そうでしたね(笑)」
桑野「昔からだよ。お酒を飲むときも仕事の話ばっかり。熱く語るんだよね。あんな仕事人間、なかなかいないよ。だから嫁が来ないのかなあ(笑)」
ゆま「桑野さんも仕事人間じゃないですか。私、すごく印象的なことがあって、舞台の稽古のときに志村さんが三味線を弾いて、ピアノの方とセッションされていたんですね。そのときに桑野さんが、めちゃくちゃ細かく音の微調整をされていたじゃないですか。あの姿が格好よくて」