梅雨明けはまだなのに、夏競馬の2週目は猛暑に見舞われた。中京、福島とも35度を超える猛暑日の予報が出ていたが、まさしくうだるような暑さだった。暑さに弱いサラブレッドだ。スーパー猛暑が噂される今年は熱中症の心配が出てくる。例年以上に「格より体調重視」の格言が生きてきそうだ。

 さて、最終週を迎える夏の中京競馬は「中京記念」がメイン。サマーマイルシリーズの第1戦になるが、定石どおり夏馬狙いでいきたい。馬券の軸はウインガニオンだ。これまで7勝しているが、ほとんどが夏場での勝利。初勝利が3歳の6月。続く7月の500万特別でV2を飾った。4歳時も夏場に爆発する。6月の500万特別を勝つと7月の1000万特別、8月の準オープン特別と一気に3連勝した。

 5歳の今年も爆発ムードだ。暖かくなった4月末の新潟戦でオープン特別を制すると、続く6月の東京・パラダイスSでオープン特別を2連勝した。体が硬くなる冬場はさっぱりだが、夏になると馬が違ったように走るのだ。勝ちパターンは逃げ。7F~マイル戦の舞台で容易にバテない粘り腰が生きてくる。前走の東京戦も逃げっぷりがさえた。1番枠に同型馬がいたが、出脚の良さで先制すると、上がり3F33秒7で逃げ切った。この上がりはデビュー以来の最速。グランシルク、ロードクエストを抑え込んだのだから地力アップも明白だ。年齢を重ねると強くなるのは、いかにも西園厩舎のオープン馬といった感じだ。

 夏本番を迎え、今なら3連勝で初重賞Vも可能だ。中3週の日程で、2週前時点ではまだ時計を出していないが、中間は坂路で16-16のキャンター調整。レースまで2本追えるから仕上がりは問題ないだろう。出走メンバーにもコレといった同型馬がいない。馬場改修後、逃げ馬の活躍が多い夏中京のマイル戦。馬券的にも絶好の狙い目になる。

 強敵は決め手のあるタイプ。夏の中京に強い福永が騎乗する関東馬のグランシルクも怖いが、末脚の鋭さではブラックムーンが一番だろう。前走の阪神・米子Sは1分31秒9のレコード勝ち。レース上がりが33秒4と速い中、4角ブービーからの差し切り。自身の上がりは32秒4の強烈さだった。中京コースは3歳時以来だが、左回りの東京でオープン勝ちがあるから不安材料にはならない。夏競馬の実績はこれまでないが、中間は1週2本の調教を消化しており、問題ないと判断する。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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