【04】世界の植物を全滅させる細菌

 遺伝子操作された細菌によって、地球上の全植物が枯れてしまう! 文字通りの世界の危機が1990年代に起きていた。この研究はもともと、植物からエタノールを作るものだった。90年代、エコロジーブームから植物を効率よくエタノール発酵させる発酵菌の研究が、世界中で進んでいた。そうした中、80年代に発見されていたクレブシエラ・プランティコラという細菌に、あるバイオ企業が目をつけたのだ。

 遺伝子操作されたGMO(遺伝子組み換え)作物が今も問題視されているが、ただでさえ正体が分からないGMO作物が農地以外に広がったら大変だ。他の植物と交配して、生態系を壊すかもしれない。だから、収穫後に廃棄する枝葉に種の取りこぼしがあってはならない。燃やしてしまうのが一番良い。しかし、GMO作物が作られている農地の広さを考えれば、現実的ではないのだ。

 そこで遺伝子操作したクレブシエラ・プランティコラを使って、廃棄する植物をエタノールに変えてしまえば、一石二鳥だと考えた。安全にゴミが処理でき、燃料も作り出せるのだ。

 市場に出る直前、オレゴン州立大学のエレイン・イングラハム教授が大変なことに気がついた。エタノール化処理施設外では繁殖しないはずのクレブシエラ・プランティコラが、外でも爆発的に増えることが分かったのだ。クレブシエラ・プランティコラは世界中の植物をエタノールに変え、全滅させてしまう。食料は途絶、酸素不足で人類は絶滅しただろう。

【05】HIVの真相は獣人兵士計画だった!

 エイズ=HIVはアフリカ・ギニアの奥地に住むサル類が保菌しており、それが人間にうつったことで始まったとされる。サルたちはHIVと非常によく似たSIVというウイルスを保菌していたからだ。しかし、SIVがHIVに変化したきっかけは何だったのか、どうして人間に感染したのか、今も謎のままだ。

 SIVがHIVに変化したのは1920年代と考えられている。このとき、ギニアではロシア人科学者イリヤ・イワノビッチ・イワノフが、ある実験を進めていた。プロジェクト・リンク、いまだ発見されない、類人猿と人間とをつなぐ中間種を人工的に作ろうというのである。

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