7月7日の対ヤクルト戦。この日の広島は8回までに3-8の大量リードを許し配色濃厚。しかし、9回表に登板した抑えの小川を広島打線が捉え、6-8まで追いあげ、2死一、三塁で代打・新井が告げられると神宮球場の興奮は極限まで高まった。「2-1からの4球目、新井がバットを振り抜くと、打球はセンターに飛びこむ代打逆転3ラン。9回に5点差を引っくり返した“七夕の奇跡”は、間違いなく球史に残ります」(広島担当記者)

 剛打は健在だった。「新井は自ら“40にしてバッティングを覚えた”と言っています。以前はどんな球でも食いつくタイプでしたが、阪神から広島に戻って、球を引きつけて打つようになった。常に謙虚に練習する様子は、若手からも尊敬を集めています」(前同)

 巨人の阿部慎之助(38)もまだまだ主力。「打率.249、10本塁打(数字はすべて7月12日時点)と、今季の成績はまずまず。三振も43あり、内容がよくない部分も目立ちますが、精神的支柱として、低迷するチームを支えています」(巨人担当記者)

 現在、阿部は2000本安打まであと25本に迫り、達成は時間の問題。「2000本を手土産に引退という選手も多いですが、阿部自身は、それは嫌でしょう。来年も、できれば現役生活を続けたいと思っているはずです」(前同)

 その2000本安打を6月2日の楽天戦で達成したのが中日の荒木雅博(39)。「あの落合博満前GMに“守って打った2000本。誰が打つよりもうれしい”と激賞されました。荒木はひたすら守備と走塁を磨くことで歴代指揮官の信頼を得て、打席を与えられ続けた結果、記録を達成しました」(中京エリアのスポーツ紙記者)

 記念のセレモニーで花束を渡す役を買って出たのが、荒木が入団したときに中日の監督だった星野仙一氏。「当時は“なんで、こんな非力な選手をドラ1で取ったんだ”とフロントに食ってかかった星野さんですが、入団後の荒木の姿勢も見てきているし、さぞ感慨深かったでしょうね」(前同)

 一方、2000本まであと53本と迫りながら、代打での起用がメインゆえに、「今シーズンの達成は難しいのではないか」と言われているのが福浦和也(41)。ロッテ一筋24年の大功労者だけに、元同僚の里崎氏も、「早く2000本安打を達成してほしい、と注目しています」とエールを送る。

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