それが更迭しなかった理由とは思えないが、あるテレビ関係者がこう囁く。「女性コメンテーターの中には、総理と稲田前大臣が“深い仲”にあるから、安倍さんがあそこまで彼女をかばうんだと真面目に思っている人が何人もいます」

 女難の相と聞いて、まず浮かぶのが不倫や愛人問題でのスキャンダル。安倍首相と稲田前大臣もまさか――。「もちろん、それはないと思います。更迭していたら、女性初の総理候補といわれる彼女の経歴に傷がついた。安倍さんと稲田前大臣は思想や考え方が同じ。だから、総理もそこを気にしていたんでしょう。そもそも、安倍さんの“お友達”と呼ばれる人たちは思想的に共通していて、だからこそ岩盤のように固い絆で結ばれているんですよ」(前出の有馬氏)

 05年に稲田氏は、自民党若手議員の勉強会に講師として招かれ、「そのとき安倍さんは稲田さんに一目惚れしたといいます。もちろん、女性としてではなく、彼女の弁舌に、です」(自民党細田派関係者) その直後の郵政解散で、安倍首相が稲田氏を刺客候補に擁立。以来、“寵愛”が続いている。

 また、安倍政権を支える菅義偉官房長官の“悪相”を際立たせたのも女性だった。「これまで官邸記者会見は、菅官房長官ペースで進められていましたが、東京新聞の望月衣塑子記者が現れたことで一変。菅官房長官に執拗に食い下がり、安倍政権のマスコミ支配に風穴を明けたといわれています」(ネットニュース記者)

 そうした状況に加えて、安倍一強内閣の潮目を決定的に変えたのが東京都議選。「トドメを刺したのは豊田真由子衆院議員。“このハゲーーッ”“死ねば? 生きてる価値ないだろ”といった秘書への暴言が、都議選直前の大事な時期に連日、テレビで取り上げられましたからね」(前同)

 その都議選で自民党に代わり、第1党に躍り出たのが、都民ファーストの会を率いていた小池百合子東京都知事。これまた女性だ。「都議選の敗北以来、安倍政権の支持率下落に歯止めがきかなくなってきたことを考えると、今から思い返しても、豊田議員の暴言は政権運営に大きな影を落としたと言えます」(官邸筋)

 女難続きの安倍政権。前出の小野氏は最近、そんな安倍首相の顔に変化が表れてきているという。「近頃の安倍首相のお顔を拝見していると、眉尻が乱れています。以前にはなかった顔相です。水難の相とされていますが、水難の中には酒や色事、女性問題も含まれているんです。つまり、女難のリスクがますます高まっているわけです」

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