白鵬と貴乃花親方が「相撲協会を支配する日」の画像
白鵬と貴乃花親方が「相撲協会を支配する日」の画像

 前人未到の記録を更新し続ける最強力士。かたや昨年の理事長選で黒星を喫すると、鳴りを潜める改革派。2つの意思が交錯!

 7月23日に千秋楽を迎えた大相撲名古屋場所で、通算39度目の優勝を果たした横綱・白鵬(32=宮城野部屋)。元大関・魁皇(現・浅香山親方)の持つ通算最多勝利数1247を更新したばかりか、勝利数を1250勝まで伸ばした。

「これで、大相撲の主な記録をほぼ更新したことになります。さすがに双葉山の69連勝は難しいでしょうが、北の湖の持つ歴代最多の横綱在位63場所にも、あと3場所で並びます。優勝インタビューで“名古屋の皆さん、サンキュー!”と39勝にかけて軽口をたたいた気持ちも分かります」(スポーツ紙デスク)

 さらに24日の優勝から一夜明けた会見の席上、この日でちょうど3年後に迫った東京五輪・パラリンピックについて質問されると、「心と体をしっかりかみ合わせて準備したい。3横綱と一緒に(五輪開会式で)土俵入りがしたいですよ」と、2020年までの現役続行に意欲を見せた。

 新たな目標に向け、大横綱が動き始めるかと思いきや、相撲協会の関係者は、「好敵手がいない状態が長らく続き、近年の彼の最大の敵はモチベーションでした。その悩みを吐露する回数は増え、取組の直前まで“気持ちが作れない”とボヤくこともあるんです」と話したうえで、次のように続ける。

「彼の視線は現役力士としての将来像ではなく、角界全体に向けられています。“モノ言う横綱”といわれる彼の姿勢に表れているように、相撲界を“改革”したいというのが本音でしょう。しかも、その未来像には貴乃花親方(44)の姿もあるんです。すでに報道にも出たように、日本国籍取得はその大きな一歩です」

 まだ公の場で明言したわけではないが、モンゴル出身の白鵬は、現役引退後に日本相撲協会に親方として残るために、ネックとなっていた日本国籍取得の意思を固めたとされている。相撲界に親方として残るために必要な年寄名跡の取得。その条件を満たすために日本国籍は必須だったのだが、実はこれまでは「国籍取得に消極的だった」(前出のスポーツ紙デスク)。

 というのも、白鵬の父親のムンフバト氏はモンゴル相撲(ブフ)の横綱で、レスリングの選手としても五輪に5大会連続出場。1968年のメキシコ五輪のフリースタイル87キロ級では銀メダルを取った国民的英雄である。それだけに、その息子の国籍変更は「国家的タブーだった」(前同)。

  1. 1
  2. 2
  3. 3