「そう遠くない将来、貴乃花親方と白鵬親方ががっちりスクラムを組んで、大相撲のさらなる発展に尽力することになるでしょうし、そうあってほしいですね。タイプは違いますが、2人は“孤高の大横綱”として角界の危機を何度も救ってきました。子どもたちが相撲に興味を持ってくれるような環境作りに熱心な点も、共通しています」と話すのは、大相撲に造詣の深いラジオパーソナリティーの大野勢太郎氏。

 白鵬は15年の初場所で取り直しになった一番について、場所後、「あれは勝ってる相撲。帰ってビデオを見たけど、子どもが見ても分かるような相撲だもんね。もう少し緊張感を持ってやってもらいたい」と審判部を痛烈に批判。

 これをきっかけに白鵬バッシングが吹き荒れ、白鵬とマスコミが冷戦状態になったのは記憶に新しいが、「あれは、いわば白鵬の悲鳴ですよ。不祥事が多発した角界を長い間、一人横綱として支えてきた自分をもっと評価してくれてもいいのではないか、という不満が爆発したんです」(前同)

 白鵬が親方になって、まず動くだろうと早くも考えられているのが、これだ。「判定の分かりやすさと公平さもですが、横綱のあり方についても一家言あるようなんです。強い横綱が同時期に複数存在し、場所にしっかり出る。そうすれば、相撲ファンの期待に応え、若手力士の手本にもなる」(前出の専門誌記者)

 現在、白鵬、日馬富士、鶴竜、稀勢の里の4横綱体制が敷かれているが、「白鵬と3横綱の間には実力的にかなり差がある。それに、19年ぶりに誕生した日本人横綱、稀勢の里は、昇進した3月場所で優勝した後はケガで2場所連続途中休場。今夏の巡業は、日馬富士、鶴竜も含めて3横綱が参加しない方向ですからね。仕方ない部分もあるとはいえ、白鵬はここにも不満がある様子。それも含めての横綱という考え方です」(前同)

 相撲評論家の三宅充氏は次のように言う。「全盛期の力はありませんが、白鵬はケガさえなければ、まだまだ角界の第一人者ですよ。天性の相撲勘、体の柔らかさ、懐の深さに加えて下半身の力強さも戻ってきましたからね」

 現役の雄姿ももっと見たいが、貴乃花と協会を改革する姿も早く見たい!

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