駅弁の頂上決戦! 日本全国「本当にうまい駅弁」大公開!!の画像
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 穴子、牛タン、うにといくら……。地元食材が詰まりし“玉手箱”の真の実力と、知って得するおいしい知識を公開する!

 旅を何倍も楽しく、そして思い出深くする駅弁。地元の食材や郷土料理が手軽に食べられるとあって、今も昔も大人気だ。そのうえ最近では、全国の人気駅弁を集める専門店が出現し、再注目されている。一例を挙げれば、東京駅『駅弁屋祭』、新大阪駅『旅弁当駅弁にぎわい』、仙台駅『駅弁屋祭』、博多駅『駅弁屋たい!』がそれ。

 選択肢が多いのはうれしいが、しかし、“食の玉手箱”を前にすれば誰もが悩み、考え込んでしまう。そこで、本当に美味いのはいったいどれか、徹底調査した!

 そもそも駅弁の始まりは、1885年(明治18年)に宇都宮駅(栃木県)で、おにぎり2つと、たくあんを竹の皮に包んで販売したことだという(諸説ある)。値段は5銭。同駅前の旅館が委託されて作ったそうだ。以来、駅弁文化は日本全国に浸透。保存技術や容器の進化、さらに交通の発達によって、さまざまな食材、料理を詰め込むことに成功した。駅弁についたヒモを引くだけで加熱されるものは、その代表例だろう。

「それなら佐賀・有田駅の『有田焼カレ―』(創ギャラリー)はスゴいですよ! 有田焼の器にカレーが入っていて、買うと、その場でレンジでチンして熱々の状態にしてくれるんです。適度な辛さのカレーにトロットロのチーズが絡んで絶品! そのうえ、有田焼の器は今でもウチの食卓に並びます。煮物を入れるのにピッタリなんです」

 ここで鼻息荒く割り込んできたのは、桂米助師匠ことヨネスケ氏だ。『突撃!隣の晩ごはんシリーズ』(日本テレビ系列)のイメージが強いが、実は駅弁・空弁(空港弁当)をこよなく愛し、今まで食べた種類はおよそ1000種類。2011年には、書籍『ヨネスケの駅弁空弁600選』(辰巳出版)を上梓したほどだ。

 そんなヨネスケ氏に、本当に美味い駅弁を尋ねると、「味でいえば有田焼カレーも入るけど、駅弁の王道は冷めてもおいしいこと」と話したうえで、ベスト11を選出してくれた。下のランキングがそれだ。

 中でも熱弁を振るうのが愛知・豊橋駅の『稲荷寿し』(壺屋)で、「コクがすごく強くて、驚くほどの美味さ」(前同)のあまり、工場の製造現場に“突撃”したほどだという。この稲荷寿しと、「たこの風味とエキスがたっぷりで、あっと言う間に平らげちゃう」(同)という兵庫県・西明石駅の『たこむすびめし』は、いずれも520円と安価。その心は、「理想は飲み物と合わせて1000円でお釣りが来ること。安いほうがいいし、高いお金出してハズレだったらイヤでしょ」(同) つまり、ヨネスケ氏選出の駅弁で1000円以上のものは、それだけの価値があるということだ。

■突撃!ヨネスケの「本当に美味い駅弁ベスト11」

『海鮮たらば蟹かきめし』北海道/根室本線・厚岸駅(1280円)
「ひじき入り炊き込みご飯に、牡蠣煮とタラバガニのむき身がたっぷり乗っている。そのすべてが満点のおいしさ!」

『平泉』岩手県/東北新幹線・一ノ関駅(1400円)
「うにと栗であしらった世界遺産・金色堂が印象的。煮鮑、黒豆、酢の物もあり、総じて豪華。味もバランスも最高です」

『えんがわ押し寿司』新潟県/上越新幹線・新潟駅(1100円)
「カラスがれいのえんがわのコリコリ感と適度な脂が酢飯によく合う。寿司を包む竹笹の香りも品があっていいよね!」

『シウマイ弁当』神奈川・東京の主要駅(830円)、『チキン弁当』東京駅(850円)
「基本的に駅弁は1種類につき1回しか食べないけど、この2つは完全に例外。無性に食べたくなるんだよね」

『稲荷寿し』愛知県/東海道新幹線・豊橋駅(520円)
「稲荷寿司が7個に紅生姜のみとシンプルだけど、とにかくおいしい。油揚げは味がしっかり染みていて、コクがすごく強い!」

『でっきゃあからあげ弁当』愛知県/東海道新幹線・名古屋駅(800円)
「鶏の一枚肉を使った巨大なから揚げは、パリパリとはいかずも冷めてもカリカリ気味で実に美味。から揚げ駅弁では日本一!」

『たこむすびめし』兵庫県/山陽新幹線・西明石駅(520円)
「たこのエキスと風味がたっぷりのおにぎりは最高に美味い。さすがは人気駅弁『ひっぱりだこ飯』を作る淡路屋さん!」

『瀬戸の押寿司』愛媛県/予讃線・今治駅(1350円)
「高級感が漂う木箱を開けると、笹にくるまれた鯛の白身による押し寿司がいっぱいに広がる。大葉も効いていて、絶品!」

『かつおたたき弁当』高知県/土讃線・高知駅(1100円)
「保冷剤で冷やされた鰹のたたきを、スライス玉ねぎ、にんにく、ねぎ、しそ、柑橘でいただく。衝撃的な美味さで、私のナンバーワン駅弁!」

『鮎屋三代』熊本県/九州新幹線・八代駅(1250円)
「かつて、九州の駅弁ランキングで3年連続1位。丸ごと一匹使った鮎の甘露煮は柔らかくて、めちゃくちゃおいしい」

 また、この下のランキングは鉄道フォトジャーナリスト・櫻井寛氏の「駅弁5選」だ。櫻井氏は、世界93か国の鉄道を取材し、日本の駅弁を5000個以上も“食破”。『マツコの知らない世界』(TBS系)の「駅弁の世界」で案内人を務めたほか、人気漫画『駅弁ひとり旅』(双葉社)の監修を務めたレジェンドでもある。「世界にはおよそ120か国に旅客鉄道がありますが、駅弁があるのは日本、韓国、台湾など、ごくわずか。日本にはおよそ4000種類の駅弁があり、しかも、1アイテムで最大1日2万個も売れるんです。駅弁は、日本の鉄道が明治時代から育んできた、世界随一の食文化なんです」(櫻井氏)

■鉄道フォトジャーナリスト・櫻井寛氏の「本当に美味い駅弁5選」

『うに弁当』岩手県/三陸鉄道・久慈駅(1470円)
「掛け紙を外すと、三陸産の甘美なうにがずらり。うにの出汁による炊き込みご飯と合わせ、逸品」

『海苔のりべん』福島県/東北新幹線・郡山駅(950円)
「侮ってはいけない究極ののり弁。三陸産の寒流海苔が二段重ねに。焼き鮭、玉子焼きの美味なること!」

『竹ずし』富山県/北陸新幹線・富山駅(3700円)
「富山名物『ますのすし』の最高級版。1日限定数本だが、これを食べると通常のものには戻れなくなる」

『あなごめし』広島駅/山陽本線・宮島口駅(1944円~)
「100匹のうち数匹という極上の金穴子を漁師から直接仕入れる。たれは明治の創業時から継ぎ足される」

『山海三昧』大分県/日豊本線・大分駅(1296円)
「昨年の九州駅弁グランプリ! 湯布院牛、鶏天、椎茸、豊後水道の魚介など、大分の美味満載の寿司駅弁」

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