ハローワーク、住居ローン、介護、奨学金…実は申告すればもらえるお金の画像
ハローワーク、住居ローン、介護、奨学金…実は申告すればもらえるお金の画像

 働けど働けど給料は上がらず、おまけにボーナスもカット。それなのに支出はちっとも減りやしない。しかし、嘆いていても変わらない。実は、申請するだけでもらえるお金も存在する。

 著書に『知らないと損をする! 国の制度をトコトン使う本』(KADOKAWA)がある、オールアバウトのマネーガイド、清水京武氏はこう語る。

「サラリーマンにとって一番身近なのが労災保険でしょう。労災は通勤中を含め、労働時にケガを負ってしまった際、保険がきく治療であれば治療費が全額支払われるというものです。病気やケガのため仕事ができず、欠勤して給与が支払われない場合も、給付基礎日額×80%×休業日数が支払われます。会社の健康保険に入っていないパートやアルバイトの方でも申請可能です。病院で専用の診断書を書いてもらったりするので、仕事中にケガをしたら、まずは会社の総務に相談を。うっかり健康保険で払ってしまった場合、医療機関と会社に連絡し、早めに労災に切り替えましょう」

 他にも、業務外のケガや病気で4日以上仕事を休んでしまった場合に出る傷病手当金、1か月の医療費が自己負担限度額を超えた人に支給される高額療養費、病気やケガで障害を持ってしまった際にもらえる障害年金なども頭に入れておきたい。

 30~40代は子どもの医療費や習い事など、何かとお金がかかる時期。そんなときに申請しておきたいのが、自治体による育児に関する助成金だ。

「0歳~中学校卒業までの子どもを持つ親に支給される児童手当は、お子さんのいる方ならご存じだと思いますが、他にも行政によるさまざまなサービスがあります。たとえば、『子どもの医療費助成』。小学生の医療費が無料になるイメージの強い制度ですが、市町村によっては小学生だけでなく、中高生まで医療費を無料、または窓口負担を500円までとしているところもあるんです」(前出の清水氏)

 中高生まで対象となる市町村もあるというから、驚くばかりだ。他にも、障害を持つ子どもに支給される『障害児福祉手当』や『特別児童扶養手当』、不妊に悩む方への特定治療の支援として『不妊治療の助成金』などもある。まずは、自分が住んでいる地域の自治体に問い合わせてみてほしい。

 そして、子どもが成長するにつれ、気になるのが進学に関するお金。

「最近では奨学金を返済できずに苦しむ奨学金破産が社会問題となっています。こちらも、国主導の返済不要の『給付型奨学金』がありますが、住民税非課税世帯の生徒であることや、各学年2万人を限度としていること、学校推薦をもらえる成績優秀な生徒といった厳しい条件があるんです」(前同)

 しかし、それまでは一部の自治体でしか給付型の奨学金を実施していなかったので、より多くの子どもに給付型奨学金を得るチャンスが巡ってきている時代だと言えよう。

 子どもにお金がかかる時期と同時期に気になるのが、親の介護。

「介護が必要になった場合、まずは公的介護保険で乗り切る手があります。要介護の認定が下りれば、ケアマネージャーの計画のもと、1~2割の自己負担額で訪問介護やデイサービス、介護老人福祉施設などのサービスを受けることができます。また、親の介護で会社を休んでしまった場合に、賃金日額の67%が給付される介護休業給付という制度もありますね。ただし、これは介護する側が雇用保険に加入している必要があります。アルバイトで雇用保険に入っていなかったり、雇用保険に加入していても所定の期間を満たしていない場合、申請できません」

 こう話してくれたのは都内勤務の社労士。しかし、実際には介護休業を取る人は少ないというのだ。どうしても会社を休めない場合や、慣れない介護に戸惑うこともあるので、介護者をプロの手に任せて働きに出ている人が多いようだ。介護疲れで倒れてしまわぬよう、介護者をショートステイに預けて、のんびりする日を作るなど、制度をうまく利用してほしい。

 また、要介護認定を受けた後、認知症が急に進んだり、入院によって体の状態が変わったりすることもありえる。

「このような場合、次の更新を待たなくても役所にお願いをすれば、再度認定の審査をしてもらえます。要介護認定は5段階ありますが、段階により保険内で利用できるサービスが異なるので、変化があったら担当のケアマネージャーに相談しましょう」(前同)

 アベノミクスの恩恵を受けているのは、ごく一部。会社が倒産してしまった、リストラにあってしまった、なんて可能性も今後は誰にでもありうる。また、会社都合にかかわらず、スキルアップのための転職で一時的に求職状態になることも。失業期間中、最も国民に頼られているのが失業給付だ。ハローワークで離職票を提出して求職の申し込みをすると、離職直前の6か月に毎月支払われた賃金(ボーナスは除く)の合計を180で割った額の50%~80%が支払われる。

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