「この値段を許容する場所ということもあるんでしょうが、実はこれ、東日本大震災の復興支援のために考案されたもので、宮城気仙沼産のふかひれを使用しているんです。純国産で生産量も多くないので、提供店舗が限られるんでしょう」(徳山氏)

 裏メニューのさらに裏には、知られざるドラマも隠れていたというわけだ。

 さて、ここからは比較的多くの店舗で可能な“裏オーダー”を検証していこう。まずは、腹ペコ党の強い味方・餃子の王将だ。

「王将といえば、文字通り裏メニューの“王様”です。天津飯のあんをエビチリにする“エビチリ天津飯”、餃子にマヨネーズをつける“マヨ餃子”など、パンチのあるものが多いですね。天津飯のご飯をチャーハンに変更する“天津チャーハン”など、人気すぎて正式メニューに昇格したものもあります」(前同)

 ちなみに、マヨネーズはふつう卓上には置いておらず、頼んで初めて出てくる。

「餃子の本場、神戸では味噌ダレで食べるという食べ方があるんですが、店舗によっては、この味噌ダレも出るので、聞いてみるといいでしょう」(同)

 また、餃子そのものも“裏オーダー”が可能。

「パリパリが好きな人には“よく焼き”“両面焼き”にも対応。新鮮な食感で、クセになりますよ」(同)

 こうしたカスタムの多様性もまた、王将の魅力の一つ。愛されるのも納得だ。

「全品280円」でおなじみの鳥貴族にも、カスタムメニューが存在する。

「こちらは至ってシンプルで、通称“マヨ貴族”“マヨから”と呼ばれるマヨネーズカスタムです。どこの店舗で“マヨネーズをかけてください”と頼んでも、キレイに盛りつけされて出てきますよ」(同)

 鶏の脂とマヨネーズは相性抜群。頼むほうも気楽なので、ぜひ試すといいだろう。

 鶏といえば世界の山ちゃんにも、違った味が楽しめる隠しメニューがある。

「店舗によりますが、お願いすると手羽先を天ぷらにしてくれるんです。しかも、骨も抜いてくれる。ポン酢や塩などをもらってつけて食べれば、さっぱり味を堪能することができます。手羽先に飽きたら、これを頼み、また手羽先に戻る……という、濃い味とさっぱりの無限ループで、いつも、ついつい食べ過ぎてしまいますね(笑)」(同)

 手羽先……いや、小手先のアレンジではない本気の裏メニュー、食べると病みつきになること請け合いだ。

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