暑い、暑い、小倉競馬の開幕週に参戦。2日連続でメインレースを勝ち、久しぶりにおいしいお酒を味わうことができました。デビューした当初から、夏は小倉で過ごすのが当たり前だった僕にとって小倉は第2のホームグラウンド。

「やっぱ、ユタカが一番っちゃ‼」という温かい声援や、「なんばしよーっと、こんバカたれが。金ば返せ‼」というヤジを聞くと、どこか懐かしく、「今年も小倉に帰ってきたんだなぁ」という気持ちになります。

 小倉競馬、最初の白星は10Rの「由布院特別」(芝1200メートル)でした。パートナーは、3歳牡馬のミラアイトーン。栗東のトレセンでともに育った幼なじみ、池江泰寿先生の管理馬で、昨年6月のデビューでは弟・幸四郎が騎乗して勝利を飾った、武家とは縁のある馬です。距離1200メートルは初めての挑戦でしたが、“短いほうが合いそうやな”と池江先生と話していた通りの圧勝劇。順調に力をつけていけば、この先も楽しみな一頭になりそうです。

 初日のメインは、サラ3歳上、1600万下の「薩摩ステークス」(ダート1700メートル)。パートナーは4歳牡馬、3番人気のマインシャッツでした。道中は中団の内側で我慢の競馬。4角で一瞬、ズブくなりましたが、ギアを上げてからの走りは、父ゴールドアリュールを彷彿とさせる力強さで、頼むから、届いて! という僕の叫びにギリギリで応えてくれました。

 若い頃から暑いのは平気で、先輩に「よく、そんな顔をしていられるな」と呆れられていましたが、今もそれは変わらないようです。――明日も晴れますように。

 願いが届いたのか、翌日も朝から太陽がコースを照りつけ、最高気温は34.1度。僕ら騎手はともかく、ファンの方は大丈夫かなと心配になるほどの暑さになりました。

 この日のメインレースは前日と同じく条件……サラ3歳下1600万下の「佐世保ステークス」(芝1200メートル)。パートナーのダイアナヘイローは、500万下、1000万下と、クラスが上がるごとに、レースの幅も広がってきた今夏、期待の一頭です。

 7枠13番からスタートしたダイアナヘイローは、好位3番手から追走。最後の直線ではグイッグイッと伸びて、最後は測ったようにハナ差で交わして、3連勝を飾ってくれました。

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