しかし同クリニックでは、80%以上の人に腫瘍の縮小や腫瘍マーカーの低下が見られ、実に受診患者の90%に効果があったという。吉田理事長がこう解説してくれた。

「がん遺伝子治療の有効性を決定づけるポイントは、“多種のがん抑制遺伝子を使うこと”と“それを、がん病巣まで高濃度に運ぶこと”です。その点、うちではPTEN、p53、p16という3種類のがん抑制遺伝子を使用しています。また、日々進化する最新の研究結果に常に目を配り、がんを活性化させるCDC6や、がんの発現に関係するEZH2を抑制するRNAを新たに加え、投与しているのが功を奏しているのでしょう。これらは抗がん剤と同じようなポイントで働き、抗がん剤が効きにくい薬剤耐性がん細胞にも有効なので、抗がん剤の効果を高め、再発治療や再発予防にも適しています」

 最後は『長瀞医新クリニック』(埼玉県長瀞町)の横山博美院長。同クリニックでは、免疫療法の一種「幹細胞療法」を行い、効果を挙げているという。この幹細胞とは、普通の細胞3万個に1個の割合で存在する、「細胞再生の起動役」というべき存在の細胞のことだ。

 この治療法では、一度取り出した自分の幹細胞を培養増殖し、体の中に再び入れる。横山院長が解説する。「がんに罹った人は、がん細胞を抑える免疫細胞の力が弱くなっていますが、これを活性化させるんです。また、抗がん剤使用で痛めつけられた内臓や血管を、速やかに修復してもくれます」

 以上、ここに紹介した最先端医療を参考に、ご自分の「がん治療に強い病院」を見つけてもらいたい。

がんに強い病院
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