この他、退位に伴う問題の一つに税金がある。天皇家も一般家庭と同じく、貯金や株式投資で財産管理をしている。もちろん、利息や配当金には所得税がかかる。問題は、皇太子殿下が即位後に天皇から財産を引き継いだ場合、相続税や贈与税がかかること。昭和天皇が崩御された当時の財産は、約19億円だったが、今上天皇は約4億円の相続税を納めたという。

 他方、譲位に伴う「元号」の問題は、日本社会全般に与える影響が大きい。明治以降、天皇一代につき、一つの元号と定められたため、天皇陛下の退位は元号変更を意味するのだ。「明治天皇がくじ引きで決めた『明治』も含め、645年の『大化』から『昭和』までの元号は、すべて天皇が決めてきました。しかし、1979年に元号法が成立したことにより、それ以降の元号の決定者は内閣。つまり、『平成』は初めて天皇が決めなかった元号ということになります」(歴史研究家)

 また、元号制定には6条件あり、それは、(1)国民の理想としてふさわしい意味、(2)漢字2字、(3)書きやすい、(4)読みやすい、(5)元号やおくり名として用いられていない、(6)俗用されていないもの。さらに、明治・大正・昭和・平成のイニシャル(M・T・S・H)が重複しないという条件が付け加えられたといわれている。

「これまで247個ある元号のうち、214個が中国の古典から選ばれています。といっても、中国の古典から探すのではなく、元号を決めてから、その根拠を探すという順番です。候補は発表の直前まで複数あり、報道などで表に出たものは徹底して外す極秘機密。前回も『平成』の他に『正化』『修文』が最後まで残りました」(前同)

 ちなみに、これまで最も長く続いた元号は昭和で、約62年。平成は現在、4位の長さである。9月を目途に、この改元の期日が発表される見通しだが、さらに延期されていた眞子内親王の婚約発表会見も控えている。

「陛下の初孫である眞子内親王と小室圭さんの婚約会見は7月8日に行われる予定でしたが、直前に起きた九州集中豪雨の被害に配慮して延期となっていました。9月に2人そろって会見する予定ですが、陛下の生前退位に関する発表もあり、11月にずれ込む可能性もあります」(全国紙記者)

 皇族の結婚となれば、当然、民間人とは異なる。「男性皇族の結婚は、通常、一般の人を皇室にお迎えすることになりますが、皇族や三権の長で構成される皇室会議で審議され、了承される必要があります。一方、内親王や女王が一般の人に嫁がれる場合、皇統譜(皇族の戸籍)から除籍され、嫁ぎ先の戸籍に入ります。皇室にお迎えするときのような制約はありません」(前出の山下氏)

 眞子様の結婚届は、役所に通常通り提出。民間の戸籍に入れば、眞子様も一般のパスポートを持つこととなり、さらに、選挙権も得ることに。居住地の自由も得られ、住む場所も自分で決めることができるのだ。また、国からは皇籍から外れる一時金として、眞子様におよそ1億3000万円が支払われるという。

 天皇陛下の長女・紀宮清子内親王のケースでは、東京都職員の黒田慶樹さんと結婚され、黒田清子さんとなった。「秋篠宮殿下と黒田さんは小学生からのご学友で、両陛下もよくご存じでした。それまでも、内親王や女王のお相手は名家と呼ばれる家柄の方々。ところが、眞子内親王殿下のお相手の小室さんの場合、これまでのケースと違います。皇室史上初のご結婚と言えるかもしれません」(前同)

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