『かっぱ寿司』の“食べ放題”も大好評!「回転寿司」は原価率で食え!!の画像
『かっぱ寿司』の“食べ放題”も大好評!「回転寿司」は原価率で食え!!の画像

 ハラペコ全開でカウンターに着席すれば、眼前に広がる“食の大海原”――さあ、好きなだけ日本の国民食を味わおうッ!

 回転寿司チェーン大手の『かっぱ寿司』が猛攻! 6月から7月の約1か月間、平日14~17時、関東や関西の20店舗に限って、“食べ放題”のキャンペーンを挙行したのだ。

「皿数を気にすることなく、好きなだけ寿司が食べられる。そうしたお得感から、実施店舗には連日、食べ放題目当てのお客さんが殺到しました。平日の、ランチ時でないアイドルタイム(非稼働時間)の稼働率を上げるための実験的な取り組みだったようですが、今後、恒久的なサービスとして定着するかもしれません。これだけの盛り上がりですから」(全国紙文化部記者)

 この好評により、かっぱ寿司は8月28日から9月8日まで36店舗、WEB予約限定で「新・食べ放題」を実施する。今後もキャンペーン情報を見逃さないよう、同社のホームページなどをマメにチェックするのがよさそうだ。

 しかし、気をつけてもらいたい。一つは、男性1580円(税抜き=以下同)、女性1380円、65歳以上980円、小学生780円、小学生未満は無料という値段。そして、もう一つは、極上大トロや上煮穴子などの高級ネタは対象外で、食べ放題では食べられないという“落とし穴”だ。

「かっぱ寿司の食べ放題は、通常1皿100円の握り寿司を、最低でも16皿は食べないと元が取れません。そこまで胃袋の容量に自信がない人は、かえって損をしてしまうかもしれません。加えて、シャリを残すと、1貫あたり30円(+消費税)を取られるというプレッシャーもあります」(飲食店コンサルタント)

 であれば、大事なのは何を食べれば損をせずに済むか、になってくる。そうなると、“原価率”が重大要素。対象メニューの中から、いかに原価の高いネタをチョイスするか、同時に、原価の安いネタをチョイスしないかにかかっている。

「ネタ(皿)ごとに値段が違う店であれば、仕入れ値に応じた値段をつけられます。しかし、100円均一店では、原価が10円のネタも、80円のネタも、同じく100円で提供することになる。そうなると当然、原価80円のネタを多く食べたほうが、お得。食べ放題では、普通の人が原価10円のネタをいくら食べても、とても元を取ることなどできません」(前同)

 そんなことを気にせず、食べたいものを食べたいだけ食べればいいのでは? そんな食べ方をして楽しいのか――というのは、ごもっとも。だが、同時に、得をすることで得られる喜びや満足感だって味わいたい。ということで、今回は、知らなきゃ損する100円均一店の激ヤバデータを公開していこう。回転寿司は原価率で食え!

 まずは、原価率の高いネタから。最終ページの表にある通り、筆頭は「ウニ」の80%、次いで「マグロ」の75%だ。「マグロの良し悪しが、その店の評価に直結するだけに、どの店もマグロの仕入れには手を抜くことができません。どうしても原価率は上がってしまいます。場合によっては、100%を超えてしまうこともあるようです」(食ライター)

 確かに寿司といえば、やはりマグロ。回転寿司に高級店並みのクオリティを求める気はないが、これがあまりにショボイと悲しくなる。“客寄せネタ”だけに、1皿単位での利益を捨ててでも、マグロの品質を維持しているのが回転寿司店の現実だという。

 そして、「穴子」や「いくら」の原価率も、約60~65%と非常に高い。「回転寿司のいくらは“人造いくら”が横行した時代がありました。しかし、最近は、安いいくらを海外から輸入するほうが多くなっていて、現在ではほとんど使用されていません。それでも、原価が高い部類のネタであることは間違いないでしょう」(前同)

 意外に高いのが、デザートメニューとして提供する店が増えている、ケーキ類の65%前後という数字だ。「自社製品ではなく、出来合いのものを、そのまま出しているケースもありますが、原材料に使用される小麦粉やバターの高騰によって、原価が抑えづらくなってきています」(前出の飲食店コンサルタント)

 他にも「赤貝」「ツブ貝」をはじめとした貝類、旬の期間の短い白身魚などは、原価が高いという。加えて、人気の「サーモン」も、原価率50%を切ることはまずないという。「一般的な外食産業の原価率は30%前後。それを考えると、これらのネタが、顧客のニーズに応えた“サービス商品”であることが分かるはずです」(前同)

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