本誌既報の通り、野田氏が自民党総裁選へ出馬しようとした際、当時まだ自民党員だった小池氏が野田氏の推薦人の一人に名を連ね、以来、2人は「互いに認め合う関係になった」(前出の都民ファーストの会関係者)のだ。

 安倍首相は、小池氏に近い野田氏をいわば“人質”として閣内に取り込み、野田氏を通じて、小池新党との連携を図る算段だという。ところが、ここにきて安倍首相の思惑に狂いが生じ始めている。

「民進党の代表選です。安倍首相がもともと解散を急いでいたのは、民進党の新体制が整わないうちに叩いておこうという狙いから。ところが、前原誠司元外相と枝野幸男前幹事長との一騎打ちで前原氏優勢となり、雲行きが怪しくなってきました」(自民党関係者)

 結果、前原氏が新代表に就任。小池氏と前原氏は、ともに日本新党から出馬し、93年の衆院選で互いに初当選したという関係だ。その前原氏は共産党を含めての野党共闘には否定的な一方、小池新党について「政策、理念が出たときに判断したい」と述べつつも、「小池都政には一定の評価をしています」と秋波を送っている。総選挙後に前原民進党と小池新党が非自民勢力の中心として結集しようものなら「下野という悪夢がよみがえりかねない」(前出の自民党関係者)と、安倍自民は危惧しているのだ。

 そこに、日本ファーストの会が結成され、恐れていた小池新党が本格的に活動を開始。ならば、その前に選挙を急ぎ、その動きを封じ込めようという狙いなのだという。

「10月22日の投票なら、小池新党は新人候補者を擁立することができず、安倍自民は単独過半数を維持できます。そうなれば、その次の総選挙は2020年の東京五輪後……」(官邸筋)

 かくして安倍政権は歴代最長政権となり、歴史にその名を刻むことができる‼ はたして“小池解散”で政権を延命できるのか――。伝家の宝刀をいつ振るうのかは、安倍首相の決断ひとつにかかっている。

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