鈴木宗男氏が提言「北朝鮮封じ込めは安倍晋三首相とプーチン大統領でやるべし!」の画像
鈴木宗男氏が提言「北朝鮮封じ込めは安倍晋三首相とプーチン大統領でやるべし!」の画像

 連日、飽くなき示威行為を続ける“暴走王子”を封じ込めるには、“コワモテ皇帝”の力が不可欠――日露外交を知りぬく男が吠える!

■ミサイル発射、核実験…北朝鮮の暴走を止めるには!?

 8月29日、北朝鮮は今年に入って13回目となる弾道ミサイルを発射。日本上空を通過し、北海道沖に落下した。その後、9月3日には過去最大規模の核実験(水爆実験)を実施。小野寺五典防衛相は6日、破壊力の推定値が160キロトンに達する可能性があると発表した。これは、広島型原爆の10倍以上の威力。韓国紙『東亜日報』は、「ソウル上空で100キロトン級核爆弾が爆発したら36万人が即死」と報じたほどの脅威だ。さらに15日、北朝鮮はまたもや日本上空を通過するミサイルを発射した。

 緊張が高まる中、11日には国連安全保障理事会で北朝鮮への追加制裁決議が採択された。しかしその裏では、各々が自国の権益を主張している。そんな状況下で日本が第一に優先すべき相手は、ロシア。トランプ米大統領のメッキがはがれつつある中、世界の覇権を一挙に握らんとするプーチン大統領を押さえなくては北朝鮮の封じ込めは難しい。そこで本誌は、国内屈指のロシア通を直撃した。プーチン大統領と過去4回会談し、北方領土問題を巡る日露交渉では安倍晋三首相に助言もしていた新党大地の鈴木宗男代表だ。その鈴木氏が、北朝鮮問題解決に向けた日露の課題について緊急提言する。

■安倍晋三首相が、プーチン大統領と異例の電話会談

「まずは、先月末のミサイル発射には驚きました。グアム近海が標的といわれていましたが、よもや襟裳岬の上空に飛んでくるとは思ってもみませんでしたよ。サンマ漁のシーズンで船が近海に出ていましたし、そもそも、北朝鮮のミサイルの精度は低い可能性がありますから、太平洋上に撃ったつもりが失速して北海道に落下する可能性もあったわけです。ただ、安倍首相の対応は実に見事でしたね。ミサイル発射は朝の5時48分ですが、安倍首相は早くも6時過ぎに官邸に入り、マスコミの取材に答えていました。米韓両国と事前に連絡を取り合い、情報をつかんでいないと、こうはいきませんよ。非常にスピード感あふれる対応です」

 米韓との連繋もさることながら、核実験のあった3日夜、安倍首相は、プーチン大統領と異例の電話会談を実施。その日、プーチン大統領は、中国の習近平国家主席がホスト役の国際会議「東方経済フォーラム」に出席し、福建省アモイに滞在中。相手が第三国にいる場合、盗聴を懸念し、電話会談を控えるのが常識だ。しかも、安倍首相はトランプ大統領の次にプーチン氏に電話したが、記者団にはプーチン氏との会談内容から先に説明。首相がロシアとの関係を重視していることをアピールした。

「それだけではなく、安倍首相がプーチン氏に電話したという話は当然、習近平氏の耳に入るわけです。つまり、プーチン氏への電話は“北朝鮮問題で日露の両首脳が協調して解決にあたる”という、中国への目に見えないメッセージにもなるわけです。そもそも、北朝鮮問題のキーマンとなるのはプーチン氏しか考えられません。金正恩委員長のおじいちゃん(故・金日成氏)は旧ソ連のもとで抗日闘争を戦い、戦後、その後押しで、北朝鮮に朝鮮民主主義人民共和国を建国したという歴史的な経緯を考えても、北朝鮮問題におけるロシアの重みは明らかです」

■ロシアを動かすのは、日本にしかできない

「では、誰がそのロシアを動かすのか。それは、日本にしかできないことなんです。まず、日本と北朝鮮は隣国という地勢的な特徴がありますからね。それと、今の主要国リーダーの中で、首脳としての政治経験が最も長いのはプーチン大統領。次がドイツのメルケル首相。そして、その次が、実は安倍首相なんですよ。しかも、9月7日にウラジオストクで日露首脳会談を行い、これで安倍首相は計19回、プーチン大統領に会ったことになります。ですが、単につき合いが長いからということではありません。なぜ日本しかロシアを動かすことができないのかというと、日本がロシアに対して、しっかりモノを言える“立場”にあるからです」

 日本政府は、北方領土返還交渉と平和条約の締結へ向け、北方領土でのロシアとの「共同経済活動」をはじめ、ロシア本土(サハリンでの開発を含む)での経済協力を実施している。その関係を、外交カードとして適切に使えばいいというわけだ。「経済協力というと、よく日本が税金を使ってロシアを援助しているように誤解されますが、ロシアは、そもそもODA(政府開発援助)の対象外。ロシア本土での経済協力の主体は、あくまで民間企業です。経済協力は“ロシアに食い逃げされる”という言い方をされることもありますが、政府が規制を緩和したり政府系金融機関が融資するという形で企業進出を後押しすることはあっても、国と国とではきちんと対等な関係なんですよ」

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